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 第649回 庶民生活トピックス−その2−

(2014年12月15日)

社会生活の便利さの追求が多方面で始まっています。北京では、深夜のバス路線で、現行の15路線にさらに19路線を加える計画が進んでいます。夜勤や残業、深夜の娯楽や代行運転普及による需要といった都市生活の変容に対応するためです。道路のマンホールの蓋が盗まれたり壊れたりして通行人が事故に遭う事件が度々報じられましたが、「南京市では専門の部署を設け、37万個の蓋の安全を管理している」という報道もありました。行政として当然とも思いますが、過去の状況に比べれば大きな進歩です。庶民たちが自ら住みよい社会に貢献しようというボランティア活動も年ごとに活発になっています。陝西省のある救援協会は600人の会員を擁し、既に山岳救助などで56回の救援活動を行っていますし、地域コミュニティである“社区”では、放課後の児童の安全を守るための夕刻預かりサービスが全国で広がっています。出稼ぎ労働者が春節で帰省するための切符の確保を大学生たちがパソコンで支援する活動も珍しくなくなりました。2014.5.21の人民日報に、外交官を退職した後、貴州省で小学校教育にすでに9年間取り組んでいる老夫婦を紹介した記事が掲載されましたが、貧しい農村の教育普及事業では学生ボランティアも年々盛んになっています。こうした動きがさらに進むと「生活に潤いを」という願いも強くなります。多種多様な民間芸能が盛んな中国、福建省福鼎市では、「6人以下、6分以内の出し物が一回の催しで8演目まで」という[ミニ演芸]が大流行ですが、こう言った庶民参加の文芸フェスティバルも各地で芽吹いています。更に、北京では人々を和ませようと160ヶ所の地下鉄の駅でショパンやモーツアルトの曲を流し始めました。こうした一方、家政婦の急激な賃金上昇が生活に及ぼす影響、「広場ダンス」ブームが近隣に与える騒音被害など、身近な問題も少なくありません。6.24.付人民日報には「何で幼稚園の出迎えの時、正門が開くやいなや、親は子供の教室まで走って行かなければならないのか」という文が掲載されましたが、子供の教育も一大関心事です。また、ネットの普及がもたらす煩わしさ(微信「ウィーチャット」の「友達圏」)や、格差社会における同窓会の気まずさなど、社会における人間関係の問題もクローズアップされています。 

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