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 第六十七回  保険業の新展開-その2-

 様々な保険が登場している中で、今、最も注目されているのが自動車保険。 中国では、2002年の自動車生産量が前年比38.5%増の325万台を記録し、 2001年に発表された、2005年に300万台突破、という目標を3年も早く達成しました。なかでも、乗用車の伸びは前年比55%増と著しく、それとともに、一般消費者の自動車保険に対する関心も急速に高まってきたのです。
 自動車保険の健全な発展を促進するためには、市場原理を導入して健全な競争を促し、消費者にそのメリットを還元できるようなシステムを構築しなければなりません。そこで、中国保険監督会は、2003年1月1日から、契約内容と価格の完全市 場化へ踏み切る全面的な改革を実施しました。
 例えば、人民保険社は、これまでの画一性を打ち破った様々な新機軸を打ち出しました。1年間無事故なら2年目は保険料を10%安くし、3年以上無事故なら30%安くしました。そのほか、道路状況が違う地方ごとに保険料の設定を変えたり、ドライバ −を指定した場合の優遇措置も盛り込まれました。
 平安保険社も、自家用車に対する保険に、使用年数、車のタイプ、地域、ドライバ −の特徴、ドライバ−指定、無事故などを考慮した新製品を登場させました。太平洋 財産保険社の"神行車保"シリ−ズは、11に大別された50あまりの項目を設け、地 域の違いや無事故か否かの他にも、一括支払いや車の安全装備、また、公用車か私用 車かレンタルか、営業用か輸送車かなどに細かな評価を行っています。
 事故の査定や、支払いの迅速化にも改善努力が払われました。平安保険社は、事故の査定、救急出動などに24時間体制を組み、更にネット上での保険支払いシステムを立ち上げ、手続きの簡素化を図りました。
 2003年1月、中国保険業協会は、全国の保険市場を監督し、消費者の苦情に対 応する自己チェック機関を設立中である、と公表しました。自動車保険は現在既に中 国の財産保険会社の収入の60%を占めており、家電業界に見られたような、過当競争による採算割れは、なんとしても避けたい、という目的もあるようです。

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