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 第680回 進む大学入試改革

(2015年08月03日)

2014年9月3日、国務院から<入試制度改革深化に関する国務院の実施意見>が発表されました。中国の大学入試制度については、これまでも1999年に<3+X>科目改革、2000年には一部地域で春季入試実施(1年に二回入試)、2008年には自主募集が68校に拡大、更に2010年には<国家中長期教育改革と発展プラン綱要>が出され、将来へ向けた教育改革の青写真も提示されました。では今回は一体何を改革しようとしているのでしょうか。
今、中国は発展の踊り場に差し掛かり、今後更なる発展軌道を確保するには、経済のモデルチェンジによる新たな成長分野の開発が不可欠です。しかし、それには今後の長期地域発展マザープラン<全国主体機能計画>に示されているように、異なる地域の異なる発展形態に適合した人材が必要ですし、経済の多様化と社会の分業化に即応する専門技術技能を有した人材も必要です。統一入試自体は公平な選抜を維持するために必要不可欠ですが、一方で、伝統的な“望子成龙”「息子の出世を願う」に縛られ、受験教育に拘泥する風潮に技術技能型人材育成が阻まれ、それが中国の経済発展のアキレス腱になっているのです。
2013年の18期3中全会で示された方針に則った今回の<意見>は、新教育制度について2017年全面推進、2020年完成を目標にしており、そこに示された主要任務と措置には、①地域格差を是正し、西部地区や農村にも平等に募集枠を確保すること ②類別入試を実施し、従来の入試(学術型)に加え、技術技能人材向けの入試(技能と文化知識を問う)を実施すること ③入試加点制度を改善し、加点項目を減らすこと、④入学者決定プロセスの透明化などが挙げられています。更に、内容についても改革が試みられ、浙江省や上海市の改革プランでは、<3(語文・数学・外語)+3>方式(文科理科で分けない)を採用、上海市は、思想政治・歴史・地理・物理・化学・生命科学から、浙江省はそれに情報技術を加えた7科目から選ぶことになっています。
大学進学率が30%を超え、研究型・産業特色型・応用技術型・職業技術型といった様々なタイプの大学が2000校余りもひしめき、合格率が80%を超えた中国の大学。大衆化が進む中、淘汰の嵐も予感され、各大学はその中で期待される役割をどう担っていくのか、まさに正念場に差し掛かっていると言えましょう。

三瀦先生のコラム