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 第七十一回  都市交通

 今、中国の大都市は、自動車の急増による交通渋滞に悩まされています。広州は過去5年間に都市建設に800億元を投入、珠江デルタ地区の交通網を整備し、重慶も一昨年、42億元で40本以上の道路の新設など交通施設の整備を行い、ともに漸く平均時速30km以上を回復、といった具合に、渋滞解消のための"暢通工程"に取り組んでいます。
 2002年だけで20万台以上車が増えた北京は、2008年のオリンピックも控え、市内 交通網の整備が急務となっています。1997年から第2、3、4環状線、平安大通り、広安大通りを、また、2001年には高速道路100km、市街道路90kmを建設、更に2002年には、58億元を投じて28本の道路も作りました。それでも、道路の都市面積に占める 割合は、ロンドンの35%に対して僅か11.4%。そこで北京はオリンピックにかけ今後 5年間、更に900億元の経費で、第5、6環状道路など900キロの道路と市内電車を整備す る予定です。
 電車や地下鉄の普及は、中国の大都市交通の大きな変化と言えましょう。北京は、2008年総営業距離300kmを目標に、638億元かけて新たに156.7kmの電車や地下鉄を作る計画で、2002年12月、地下鉄5号線が正式に着工、また、2003年1月には、中関村、中国科学院や北京大学、清華大学を通る"北京城鉄"も試験営業に入りました。その他の都市でも、2002年1月、長春に、全長14.6kmの中国初の市内電車がお目見えし、その後、重慶では、長春客車工廠と日立が協力して車両製造する、2004年完成予 定の較新線(較場口−新山村間)建設計画がスタ−トしています。地下鉄では、南京 に続いて、2002年11月、天津でも1号線の工事が始まりました。
 2002年12月31日、世界初の商業ラインとして上海リニアが試運転に成功、翌1月1 日、一般向けに試験営業を開始しました。市街から浦東国際空港までの全長30kmを 8分で走るリニアの開通式には、建設に協力したドイツからシュレ−ダ−首相も駆けつけました。
 自動車の排ガス汚染が深刻化する中、電車が大いに見直され、中国では"緑色交通行動計画"が正式に動き出し、一時は姿を消すかと思われたトロリ−バスも再評価され、南京では既に復活が決まり、武漢でも大幅な拡充がスタ−トしました。
 中国の都市交通が今後どうその姿を変えていくのか、興味が尽きません。

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