Last Update:2016/10/31
 
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コラム 「現代中国放大鏡」

 第743回 定年延長 

(2016年10月31日)

   2015年6月に人力資源・社会保障部から<中国社会保険発展年度報告2014>が発表され、この面では政府の初めての発表として注目されました。それによりますと、2014年末時点で勤労者及び都市農村住民の基本養老保険参入率は合計8.42億人、うち2.29億人が支給を受けています。その一方で、掛け金を支払えない貧困層の存在、「多く掛ければ多くもらえ、長く掛ければ長くもらえる」という原則への無理解から途中でやめてしまう、流動人口が継続手続きをしないことで中断してしまう、といった要因による、参入者に対する掛け金支払者の相対比率の減少も問題になっています。
   こういった中、今、ホットなテーマが定年の延長。2015年秋から議論が活発になり、尹蔚民人力資源・社会保障部長の「我が国は目下世界で定退年限が最も早い国であり、漸進的定年延長政策を制定すべきだ」という発言が注目を浴びました。同年10月16日、人民日報「民生観」欄の熊建署名の論説はこの点について「我が国は老齢化社会に突入し、若者は減り、老人が増えつつあり、金を稼ぐものが減り、使う者が増えて、養老金の支払いが厳しくなっている」「今日では“老人”の概念が変化している。以前は50歳でよぼよぼだったが、今は医療や生活の進歩で、70歳が自動車免許を取る」「定年延長は労働人口を増やし、被扶養退職者人口を減らし、国にとっては労働力が増え、社会にとっては掛け金納入者が増える」と述べる一方、例えば上海人の予期寿命は80.26才であるのに対し、雲南人は69.54才と大きな開きがあり、定年延長による受給年齢の先延ばしが不公平を生みかねないと、「全国一律ではなく、地域性を考慮すべきである」とも釘を刺しています。
   年が明けた2016年3月、尹蔚民部長は養老保険改革への取り組みを明らかにし、主要な改革内容として7点を挙げ、その4番目に定年延長問題を掲げました。そのうえで定年延長に関する基本的考え方として、@毎年数か月ずつ延長するなど、長期にわたり漸進的に進めることA異なる集団の異なる条件に合わせ、実際的、段階的に進めること B早めに公示し、きちんと予告すること の3点を挙げています。定年延長はすでに第13次5か年計画に組み入れられ、2016年3月には改革プランの制定が政府ネットでも公表されました。今後、年を追ってその具体的内容が明らかになるものと思われます。


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