Last Update:2017/4/24
 
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コラム 「現代中国放大鏡」

 第767回 一帯一路の取り組み−その1「一帯」− 

(2017年4月24日)

   鳴り物入りで推進された一帯一路政策。その後の進展ぶりはどうでしょうか。2016年を振り返ると、いくつかの動きが見て取れます。
   その一つが、中-欧の交通ルートがさらに整備され、複数のルートが機能し始めていることで、例えば、“漢新欧”“義新欧”などと、間に“新”が入るのは新疆を中継するルートであり、前者は2016年4月に開通した、武漢-新疆-カザフスタン-ロシア-ベラルーシ-ポーランド-ドイツを結ぶ国際コンテナ輸送列車、後者は、国際的卸売市場として名を馳せている浙江省義烏から、同様に新疆や中央アジアを経由して、ワルシャワ-ベルリン-パリ-マドリッドに至る世界最長の貨物輸送路線です。それに対し、“蘇満欧”と間に“満”があるのは、江蘇省の蘇州から、中国の北の玄関口、内モンゴル自治区の満州里を経由してシベリア鉄道へ入り、ヨーロッパに至るルートで、従来、25日程度かかっていたのが、検疫手続きなどの簡素化で、2016年には12日間と大幅に短縮され、今後の一層の利用が見込まれています。
   最近、更に注目されるのが、これらのルートと結びつけた周辺ルートの整備です。例えば、ヨーロッパでは、2014年に中国、ハンガリー、セルビア三国がハンガリー-セルビア鉄道建設について備忘録を交わし、翌年には同鉄道の建設に着工、2018年完成予定ですが、同じ年、三国は共同で「一帯一路」建設を推進する備忘録を交わしており、このプロジェクトが「一帯一路」に中東欧を取り込む一環であることは明白です。
   一方、アジアでも、1年前の2016年4月に、中国・ロシア・韓国を結ぶ「哈綏俄亜」(中国の黒竜江省ハルピン市・綏芬河-ロシアのボストチヌイ港・ウラジオストク港―韓国の釜山港)海陸複合輸送大動脈が開通、定期便運行が実現し、ドイツのハンブルグ-ロシアのエカテリンブルグ-中国のハルピンというユーラシアに跨る国際物流大動脈と接続し、「一帯一路」に繋がる東北部の重要なルートになりました。このことはまた、同地区に新たな海への出口が開かれたことも意味し、沿線地域の経済発展と周辺諸国の経済連携強化の架け橋になるでしょう。中国の『一帯一路』構想、ロシアの『ユーラシア経済連合』構想については、中央アジア諸国をめぐる綱引きも懸念されますが、このルートが両国にもたらす経済的意義は測り知れないものがあります。


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