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 第768回 一帯一路の取り組み−その2「一路①」−

(2017年5月1日)

海のシルクロード、その対象範囲は、東南アジアから西南アジア、アラビア半島を経てアフリカ東岸へ至る当初のルートに加え、インド洋からマダガスカル、南アフリカに至るルート、更にはポリネシア諸島からオーストラリア、ニュージーランドに至るルートも加わる広がりを見せています。一方、その起点となる地域、場所についても、激しい競争が起こっており、特に、浙江省以南、福建省・広東省・広西チワン族自治区はそれぞれの地域の発展計画に海のシルクロードを積極的に取り入れています。
福建省は海峡西岸経済区とも称されるように、中台貿易の根拠地として注目され、馬英九国民党政権時代には三通政策で急速な発展を遂げましたが、一帯一路政策の推進につれ、海のシルクロードの起点としても注目されるようになりました。その中心が泉州です。泉州は、唐の時代から海上交易の中心として栄えました。同市東湖路にある泉州海交通館には、その千年以上にわたる輝かしい歴史が凝縮されています。宋・元時代には東方第一の港と称され、世界100か国以上と絹、茶、陶磁器などが盛んに取引されて、インド、アラビア、ヨーロッパなどの商人が泉州を訪れました。1970年代に同市后渚港で発見された入港直前沈没船には南方の香料や薬材などが満載されていました。明代になると、1405年から鄭和が大艦隊を率いて7度インド洋を渡り、アフリカ東岸まで交易路を切り開きましたが、その出航拠点になったのも泉州でした。2014年、泉州市は<21世紀海上シルクロード先行区建設泉州市総合プラン><同行動プラン>をまとめ、十大行動計画とそれを具現化する180のプロジェクトを選定しています。
2015年以降、福建省自由貿易試験区建設が始まり、同省内には三カ所の自由貿易試験地域が指定されました。北部にある省都福州の平潭地区もその一つで、本来、台湾が主目標ですが、海のシルクロードを視野に、福州中国−アセアン海産物交易所は急速に海のシルクロードに関わる関連商品の集散センターとしての地歩を固めており、すでに100社ほどが海のシルクロード沿線諸国や地域とAEO(認定通関業者、特定保税承認者)を取り交わしています。また、南部厦門の自由貿易試験区海滄港区からは、成都を経て新疆からヨーロッパへ至る厦蓉欧貨物列車が開通し、海陸シルクロードを連結させる働きも担い始めています。

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