Last Update:2017/6/19
 
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コラム 「現代中国放大鏡」

 第775回 京津冀発展計画の進展−その3− 

(2017年6月19日)

   北京市は2014年7月、全国に先駆け、新規増の産業についての禁止・制限目録を作成、2015年には全市で全産業での禁止制限比率を55%に、一部中心地域では79%にする、としましたが、同時に非首都機能の北京市からの移転も進めています。首都からの移転と言えば、10年以上前に河北省唐山の曹妃甸に移転した首都鉄鋼公司を思い出しますが、もっと大掛かりに移転を進めようというのです。計画では、一般製造業、地域性物流基地と卸売市場、一部の教育医療など公共サービス機能、一部の行政・事業関係サービス機構の4領域に関して、時期を三段階に分けて実施する、としています。例えば、西直河石材市場は2015年、北京市を完全撤退、流動人口が4万人減少し、一部の企業は河北省の香河や易県に移転しました。同年には北京動物園卸売市場も閉鎖されるなど数多くの商品取引市場が閉鎖されました。
   京津冀の中で非首都機能の受け皿と言えば、河北省が中心になります。すでに2016年上半期までに4000社余りの企業の移転を引き受けた河北省は、4つの機能区別にそれぞれ特別プランを作成、具体的なサポート政策を策定し、北京や天津の企業がさらに安心して河北省に腰を据え発展できるよう、様々な交通インフラ整備はもちろん、行政のサポートシステムなどを含めた整備を進めています。医療・教育といった民生面の整備も進んでおり、北京市とは<医療保険協力覚書>を締結、医療保険の融通性を図っています。
   非首都機能の移転はともすれば「厄介払い」と捉えられ、公害の拡散になりはしないかといった懸念を示す人もいます。勿論、そうならないよう目を光らせることが重要ですが、その一方で、進んだ技術などを積極的に地方へ移植しよう、という考えに基づいた協力も進んでいます。例えば2015年には、河北省滄州に北京初の生物医薬産業パークが開設されることになり、また、中国のシリコンバレーと言われる北京の中関村も河北省の保定にイノベーションセンターを開設することになり、その輻射機能が期待されています。
   2016年3月、北京市投資促進局、河北省廊坊市人民政府、北京外商投資企業協会が、航空宇宙・生物医薬・文化創意などの産業の12項目の移転で合意、同年6月には河北省開発区投資説明会で更に22項目が合意に達しました。その一方、同年9月、国務院は<北京の全国イノベーションセンター建設強化全体方案>を配布、2030年に向けた計画を提示しています。


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