Last Update:2017/6/26
 
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コラム 「現代中国放大鏡」

 第776回 民法典の整備−その1− 

(2017年6月26日)

   2015年1月9日の人民日報に、薛軍北京大学法学院副院長の「民法典は法治を具体化するロードマップ」と題する一文が掲載されました。その中で同教授は「18期4中全会(2014年秋)で求められた民法典の編纂は、実は2001年頃(WTO加盟の年)、法学界で盛んに議論されたが、様々な原因でその後10数年、棚ざらしになっていた」、「一方、その間、契約法など若干の関連法規が成立、最高人民法院による民法商法絡みの司法解釈の提示もなされてきた」と紹介し、「最大の問題は現有の民事立法が、異なる時代の異なる社会や経済に基づいた寄せ木細工であり、様々な矛盾を抱え、一貫したロジックによる体系化がないことだ」と分析し、「民事立法者は一般民衆及び裁判官にきめ細かく扱いやすい規範を提供すべき」で、「中国民法典を共通の場として、立法者・裁判官・法学者が各役割を分担しつつ意見を述べる」ことの重要性を訴え、こう結びました。「民法典の編纂によって、各人に自由な活動空間が保障され、それによって公権力が越えてはならない限界が示される、それこそが法治の核心的内容であることを否定してはならない」
   1954年、62年、79年、2002年と4度にわたり民法典の編纂に挫折した中国。暫定措置として「民法通則」が1986年に制定され、これをベースにその後の経済・社会の発展に応じ、一連の関係法律が整備されました(「公司法」「合夥企業法」「中外合資経営企業法」「中外合作経営企業法」「外資企業法」「個人独資企業法」「合同法」「物権法」「商標法」「専利法」「著作権法」「婚姻法」「継承法」「収養法」「侵権責任法」など)。しかし、環境権、企業株主権、教育を受ける権利、人格権などへの対応は極めて不十分でした。そこで、18期4中全会の指示を受けた全人代常務委員会はすぐさま民法典編纂活動を正式にスタートさせ、まず民法総則を起案することとしました。これを受け、中国法学会は民法典編纂プロジェクト指導小組を立ち上げ、早くも2015年4月20日には、十数年間準備を重ねてきた<民法法典・民法総則専門家提案原稿>を発表してパブリックコメントを求め、2016年6月27日には中華人民共和国民法典総則が第12回全人代常務委員会に提出されました。さらに、翌2017年春には全人代の討議にも付されています。ではその内容には一体どんな項目や内容が含まれているのでしょうか。議論の焦点は何なのでしょうか。それはまた次回に。


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