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 第788回 急速に発展:ごみ処理と循環経済*その1

(2017年10月5日)

本コラム第552号(2013.1.14)で循環経済の確立に関して取り上げました。その中で、2009年は循環経済元年と言ってよく、中国循環経済10大ニュースが初めて報じられたこと及び2010年にかけての政府の取り組みを紹介しました。それから5年が過ぎ、第一期習近平政権が終わろうとしている時、循環経済に関する取り組みはどう進展しているのでしょうか。
ゴミ処理について、第13次5か年計画では「生活ゴミの分類回収と再生資源の回収を接続させ、生産システムと生活システムの接続を推進する《ことにより、都市と農村のゴミ処理システムの建設に注力することが謳われている通り、最近の主要テーマは①都会における分別収集と再利用をどう効果的に進めるか、②ゴミの山に包囲された農村にどうやってクリーンな環境を取り戻すか、の2点。そこで、まず①から見てみましょう。
2015年11月、北京市は、3年ごとの三段階に分けた<北京市省エネ低炭素及び循環経済基準化活動実施方案(2015-2022)>を発表、それぞれ以下の目標が掲げられました。第一段階(2015-2017):低炭素・循環経済基準活動システムを整備、基準に沿った全プロセスを網羅した情報の公開・共有プラットフォームを確立。第二段階(2018-2020):各領域・産業における模範的試みを完了、普及や手本に役立つ経験・手法を入手。第三段階/2021-2022):構造が合理的で、総合的にセットされ、全面的にカバーし、首都の経済・社会発展ニーズに沿った新省エネ低炭素・循環経済基準体系をほぼ確立。この体系は5つの体系に下位分類され、循環経済体系はその一つで、更に減量化類(水資源と土地資源の減量化利用)・再利用類(再生資源の回収、廃旧物品の流通)・その他の項目に分けられています。
都会のゴミと言っても、生ゴミ・建築ゴミ・産業廃棄物といろいろ。人民日報(2016.1.11)は「回収利用が建築ゴミの難題を解決する《という表題の記事を掲載、ドイツ・日本・タイの取り組みを紹介しました。そのうち、日本については、建築ゴミを建築副産物と呼んでいること、直接再利用が可能な物、原材料にして再利用が可能な物、上記が上可能な物の三種、20種類余りに細分化していること、更に再利用が上可能な物も、燃焼により熱エネルギーとして極力回収していることなどを紹介しています。他国の事例も参考に上述の北京をはじめ各方面で具体的などんな取り組みが行われようとしているのか、それは次回に。

三瀦先生のコラム