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 第789回 急速に発展:ごみ処理と循環経済*その2

(2017年10月12日)

2015年12月、北京市はゴミスマート分類モデルを350の団地(約100万人)を対象に実施する、と発表しました。新聞・飲料ボトルは梱包後、QRコードを貼って再生資源回収ボックスに入れるとポイントに加算され、ショッピングカードや携帯電話通話カードにも、また、一定ポイントに達すれば現金化もできるようになりました。さらに、2016年6月には、空きボトルを投入すると即座に識別し、顧客はパネルにタッチするだけで、還付金をチャージできるシステムもお目見えしました。住民のゴミ出しをチェックするシステムも試みられ、QRコードにスキャンして、生ごみ用、電池やラップなどその他の資源ごみとに分けられたスマートボックスにゴミを入れると、その情報が即座にデータ化され、だれがどんな捨て方をしたか、時間・重量・種別などが記録されます。その後、ビックデータによる分析が行われ、合理的・効率的に回収作業が行われるという言わけです。
江蘇省南京市では、2010年から行政によるサービス購入方式によって分類処理の試みが始まっています。2016年時点ですでに110の団地がモデル地区になり、これに協力すると市場価格より安値で野菜・米・油・タマゴなどを手に入れることができます。これからの問題は、そうして回収した資源ごみをどう活用し再生するかで、現在は焼却による発電が主ですが、多様な再生方式や無害化処理などさらなる向上が求められています。
ここ10年ほど、毎年ほぼ15%増の勢いで拡大している資源循環利用産業ですが、これをサポートする法整備が追い付いていません。そこで政府は2009年に施行された<循環経済促進法>の改訂を進めていますが、その主要コンセプトは、循環経済に対する認識をグローバルな視野から深めつつ、関係法の整備と執行度の強化を図ることにあります。
2017年1月、国務院は<生産者責任延伸制度推進プラン>を発表、生産者はその生産品に対して、製品設計*流通消費*回収利用*廃物処理という全サイクルに渡って資源環境責任を負うことを求めました。このプランでは、2020年には関連政策が一応形作られ、2025年には関連法規が完備される、としています。数値的には、重点製品の再生原料使用比率を20%に、廃棄製品の秩序だった回収と循環利用率を50%にすることが掲げられました。
次回は様々な資源再生への取り組みと農村の取り組みについて。

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