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 第八十回 携帯電話業界の攻防その1−通信システム

  中国の携帯電話はここ数年、使用者がハイスピ−ドで増加、2000年の8453万から毎 年6000万ずつ増加して、2003年1月末には2億1800万になり、2005年には3億7000万 になると予測されています。この巨大市場をめぐって、通信システム分野では今、激しい競争が繰り広げられています。
中国の通信業界はここ10年、再編が続き、現在、携帯電話の分野では、中国移動(チャイナモバイル)と中国聯通(チャイナユニコム)がしのぎを削っています。これま で第2世代のシステムとして、中国移動は全世界で幅広く使用されているGSMを採 用、これに対し中国聯通はCDMAを採用し、年々シェアをアップさせて中国移動を 追い上げて来ました。2002年からは、両陣営とも高速デ−タ通信などを特徴とした 2.5世代システム(中国移動−GPRS/中国聯通−CDMA1X)の導入を始め、 2003年3月、中国聯通はCDMA1Xの全面投入を宣言しました。
そして今、それに続く第3世代をめぐっての激しい攻防が始まっているのです。現在、 第3世代で有力なのがNTTドコモ、エリクソンなどによるW−CDMA、アメリカの クアルコムによるcdma2000、中国の大唐移動らによるTD−SCDMAの3方式。 もし世界最大の市場を有する中国でその独自のシステムが採用され、更にそれが世界 の標準になれば、知的所有権も含めたその優位性が中国にもたらす利益は計り知れません。
2002年10月、情報産業部の強力なバックアップを受け、大唐移動、華為技術、聯想など国内企業8社が、第3世代通信システムTD−SCDMA推進のための産業連盟 を形成、これにシ−メンス、フィリップス、三星などが加わり、2003年1月20日に は、TD−SCDMA携帯電話2004年以前商業化実現を目指し、天碁科技有限会社が設立されました。また、3月25日には情報産業部が、同日公布された新しい<電信業務分類目録>に、第3世代デジタル携帯移動通信業務を正式に組み入れました。
このような動きに連動して、携帯端末を生産する内外の企業の競争や合従連衡も熾烈になってきています。モトロ−ラ、ノキアといった欧米企業、それに対し、最近、遂にシェアが30%を突破した国内企業が挑みます。それらの動きはまた次回に。

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