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第851回 最近の日中関係-2018年その1-

(2019年1月10日)

2018年1月29日付人民日報は一面左の題字の下の『習近平談治国理政』に関する記事の真下に、李克強首相と河野外相の会見記事を大きく掲載しました。この中で李首相は、当面の関係改善の積極的な趨勢は得難いものであること、中日関係はアジアひいては世界にとって重要であり、経済の相補性は強く、広範な協力スペースがある事を強調しました。河野外相は楊潔篪国務委員、王毅外相とも会談し、2018年の日中平和条約締結40周年を契機に関係改善を推進することを再確認しました。これを承け、4月には王毅国務委員兼外相が日本を訪問、日中経済高級対話に出席するとともに安倍首相とも会談して、中国の一帯一路構想に対し、日本側が積極姿勢へ転換したことを高く評価しました。
こうした際に実現したのが第7回日中韓サミットに絡めた5月8日の李克強首相日本訪問で、先立つ同月4日、習近平国家主席は安倍首相と電話会談を行い、日中関係改善の進展に意欲と期待を示し、安倍首相も積極的にこれに応えました。5月10日、李克強首相は天皇陛下に拝謁、また、40周年記念行事に出席、更に北海道を訪問するなど、精力的に各界との交流をこなしました。
軌道に乗り始めた関係改善の流れを受け、6月5日付人民日報に、程永華駐日大使の寄稿文が掲載されました。その中で同大使は、2017年春に二階博自民党幹事長が訪中して一帯一路国際協力サミットフォーラムへ出席したのを契機に日本側が積極的な態度を示すようになったこと、協力を進めていく中で日本側の疑念もだんだん解けていくであろうこと、日本経済は既に徐々に一帯一路の恩恵を受け始めていることなどを指摘、中日両国が共に手を携えて一帯一路を発展させつつ広く市場を開拓していくことが世界に対する大きな貢献となるであろう、と結びました。
その後は、政府高官の交流が活発に行われました。7月には、大島衆議院議長が訪中して李首相と会見、8月には麻生副首相兼財務大臣も訪中し、9月に入ると、ウラジオストックで開催された第4回東方経済フォーラムで習近平国家主席と安倍首相がにこやかに握手を交わし、ほぼ同日、李克強首相は北京で、中西経団連会長、宗岡日中経済協会会長、三村日本商工会議所会頭などによる日本の経済界代表団を接見しました。

次回は1月17日の更新予定 テーマは<最近の日中関係-2018年その2->です。

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