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第870回 冬季オリンピックへ向けた動き-その2-

(2019年5月23日)

2016年から17年のウインターシーズンにかけて、“万竜”“雲頂”“富竜”“多楽美地”“太舞”“長城嶺”など国内有数のスキー場を持つ河北省張家港市崇礼区では国内外の様々な大会が開催され、スキー客も大幅に増加、万竜スキー場では、休日には3~4千人が押しかけるといった活況を呈しました。
      2017年にはオリンピック競技会場や附帯するインフラ整備も始まりました。同年5月には、張家港市における17の関連整備計画が確定、その中には交通インフラ、水道電気、治安対策など各分野別の11プランや、会場の建設、各地域の総合配置計画などが含まれました。また、アルペンスキー、ボブスレー、リュージュ、スケルトンの会場となる北京市延慶区でも関連施設の建設が急ピッチで始まり、2019年末までにおよその施設が完成する予定で、既に、2019年1月に、造雪用水・生活用水・再生水・電力・電信・有線テレビなどを含む総合地下パイプラインが完成しています。
一方、これらの地域では、オリンピックを契機に長期的視野に立った地域発展計画、競技人口育成計画も精力的に進めており、延慶区では、媯河の氷上資源を活用したスポーツ文化観光活動を軸に、海坨山氷雪スポーツ文化観光産業ベルトと八達嶺スキー観光産業ベルトを両翼とする“一軸両翼”発展も計画されています。
      このように、冬季オリンピックの開催は関連産業の急速な発展を促していますが、2018年末の統計によれば、スキー場の数は全国で869か所、そのうち、大型スキー場は11カ所、中型ロープウェイ付スキー場は113か所にすぎず、小型スキー場が583か所と圧倒的多数を占め、室内スキー場に至ってはまだ19カ所にすぎません。逆を言えば、急増する競技人口を前に今後の急成長が見込まれる産業分野であり、今はまさに「“南展西拡東進”と全国的に普及する絶好の機会である」と言われています。
その先端を走る企業の一つが、スポーツ産業で優れた実績を持つ魯能グループで、目前のオリンピック開催では張家港市と協力してその準備に取り組み、併せてオリンピックを契機とした「美しい村造り」を推進すると同時に、吉林省撫松県に「長白山魯能勝地」を建設、アメリカの企業と提携して、単独では国内初のスキー学校を開設し、注目されています。

次回は5月30日の更新予定 テーマは<中国のPKO活動>です。

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