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第876回 共産党の党内改革-その3-

(2019年7月4日)


      中国共産党党内統計広報によると、2018年末時点で党員数は9059万人、末端組織は461万カ所、短期大学以上の学歴をもつ高学歴者は4494万人(49.6%)と過半数に迫りました。少数民族党員は665万人(7.3%)、女性党員は2467万人(27.2%)を占め、職業別に見ると、農民・牧畜民が2544万人と最も多く、専門技術者1401万人、管理職980万人、政府機関職員756万人、特殊技能取得労働者651万人、学生181万人という順になっています。
      こういった党内の様々なクラスターや組織に対する改革にも力が入れられています。胡錦濤前総書記の出身母体である共産主義青年団は、習近平総書記にその「貴族化」を指弾され、2016年8月には<共青団中央改革案>が打ち出されましたが、その改革の趣旨は「一部の団員は団員としての誇りに欠け、団はその求心力を失い、その活動は効果的に行われておらず、これでは党が賦与した使命を全うできない」という厳しいもので、四つの面、12の領域に渡って改革の措置が示されました。共青団はその時点で8600万人余りの団員を抱え、94年にわたる歴史を誇っていましたが、歴代の団書記はその後、各省の省長や書記を歴任し、出世街道を進むエリートの地位を約束されており、同様な風潮が蔓延することで、現場の下積み苦労を知らない幹部が増えてしまいました。習近平はそれを「貴族化」として指弾したのです。
      2017年11月、第19回中央改革全面深化指導小組は<中央団校改革方案>を承認、2018年4月、中共中央・国務院によって印刷配布されました。その中には、学歴偏重の見直し、学校運営方法の改善、政治教育の徹底などが盛り込まれています。
      大学など高等教育機関に対しても厳しい管理方針が打ち出されました。2017年2月、中共中央・国務院は<新情勢下における高等教育機関政治工作の強化と改善に関する意見>を印刷配布し、思想理論教育の強化、哲学社会科学教育機能の発揮、教室内及び各種の思想文化“陣地”に対する管理の強化、教師陣の強化と専門性の向上など7項目を掲げました。その上で、基本原則として、高等教育機関に対する党の指導を堅持すること、マルクス主義に基づき社会主義的立場から学問研究を行う事、教育のすべての側面に思想的価値基準を浸透させること、が掲げられました。同年6月には、こういった方針に基づいて行われた、14の大学に対する中央紀律検査監察部の監察結果が公表されました。それはまた次回に。

次回は7月11日の更新予定 テーマは<共産党の党内改革-その4->です。

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