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 第九回 中国医療事情あれこれ

[一]"医療保険"−<全国都市労働者基本医療保険制度>が、全国の87%、4800万人を網羅するまでに。50年代に導入された公費医療制度の弊害を打破する医療制度改革が漸く形になり始めました。 [二]"臓器移植"−“身体髪膚、受之於父母”ということで、体を傷つけるのは孝の道に反する、という伝統的考えが強い中国。年間5000例の腎臓移植が行なわれ、成功率90%を誇る移植技術の最大の障害がこれ。提供者の確保に頭を痛めています。

[三] "エイズ"−1985年に国内初のエイズ患者が発見されて以来、僅か15年で患者数は60万人に。麻薬の静脈注射、性行為が主な感染ル−ト。政府は2001年8月に"エイズ抑制予防行動計画"を全国に通達、2005年には年間増加率を10%以下に抑える計画。

[四]“いんちき医療広告”−江蘇省商工局が市内の16の新聞の医療広告に対し、3ヶ月間の調査を行ったところ、計1747本の広告のうち違法な広告が1243本、71.15%にも上ったとか。

[五] "患者が医者を選ぶ"−質問すると怒って診察を打ち切ったり、コネが無い患者は邪険に扱ったり、法外な診察費を取ったり、専門外の治療を無責任に行う医者が多い。そのせいか北京で過去3年間に患者らに殴られた医者は502人。そこで、2000年7月から全国で“患者が医者を選ぶ"方式を実施。所期の成果があがるか、社会が注目しています。

[六]“たらいまわし”−舌にブツブツができた老人が病院に。五階の耳鼻咽喉科では患部を見て「口腔科へ行け」と。口腔科の医者は「口腔の専門病院へ行け」。20分歩いてその病院の4階受付に行くと「公費医療カ−ドは5階の特約診療に行け」。そこの医者は「これは口腔外科だ」。4階の受付へ戻ると「5階で特約受付して回してもらって来い」。5階で受付を済ませて診てもらうと「これはレ−ザ−治療がいい」。レ−ザ−治療室へ行くと「1階で支払いを済ませてきたからね」。そこで1階へ行くと、また「公費だからまず5階の特約診療で登録しておいで」。ところが5階では「はんこが無いからだめだ」。郊外の家まで取りに帰ったらもう午前の診療には間に合わない。高血圧と心臓病の老人はその場にへたり込んでしまいました、とさ。

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