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 第九十四回 大気汚染への取り組み

 2002年末に国務院が批准した<大気汚染予防改善重点都市策定プラン>は、エネルギ−源の構造調整、自動車の排ガス規制などの措置によって全国113の重点都市の 大気汚染を改善し、2005年までには国の基準をクリアしよう(内39都市は既に達成)というもの。エネルギ−源の構造調整については、国は今、"西気東輸""西電東送 "(西部の天然ガス、電力を東部へ)を柱に、石炭から電気、天然ガス、液化ガスな どのクリ−ンエネルギ−への転換を進め手います。クリ−ン生産についても、高濃度 のばい煙を排出する工場を閉鎖に追い込むなどの思い切った措置を実行すると共に、ISO14000(環境管理システム)の普及に力を入れています。
自動車の排ガス規制については、1998年に南京で無鉛ガソリンの使用が推進されたのを皮切りに、99年には北京で新車の排出基準に欧州Ⅰ号基準が適用され、同年、北京から"面的"(マイクロタクシ−)がすっかり姿を消しました。2001年には国務院が新 排出基準を、今年5月には国家環境総局が<都市自動車汚染排出監督管理を一層強化することに関する通知>を打ち出し、また、バイクについても既に厳しい規制を設け、走行距離1万キロを越えたバイクは廃車されることになっています。
各都市の取り組みも積極的になっています。北京は今年からの第9段階大気汚染改善 措置で、工場の緑化、14メガワット以下の石炭ボイラ—の転換、環状三号線を走る660台のディ−ゼルエンジンバスの切り替えなど8方面27項目に取り組んでいます。地方都市では、汚染のひどかった瀋陽では徐々に改善が進み、蘭州は砂嵐とばい煙という2大汚染源に対する取り組みが漸く本格化し始めました。最悪の状態が続く石家荘も今年から3年間で63億元を投じ、33の大気汚染改善プロジェクトに取り組みます。 政府は今後の政策の1つとして、企業の排出権取引も積極的に進める計画で、既に上海、天津、江蘇、河南など7つの省、都市での実験を行い、一応の成果を挙げています。
排気ガスを出さない究極の自動車、電気自動車に対する取り組みも始まっています。今年3月27日、中国燃料電池バス商用化モデルプロジェクトが正式にスタ−ト、5年を目処に北京、上海で12台の燃料電池バスを走らせる計画だそうです。

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