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第955回 西部地域の発展-黄河中上流域-その1-

(2021年2月4日)

第12次5カ年計画(2011~2015年)に、中国政府は12の地域発展プランを組み込み、1978年に改革開放が開始して以来推進された全国地域発展計画の総仕上げに取り組みましたが、その一つが関中-天水経済区でした。これは2009年6月に国務院が公表した黄河中流地域発展計画で、西部大開発を牽引する戦略的用地として、また、ユーラシアンランドブリッジ(後の“一帯一路”の陸のシルクロード部分)の拠点として位置づけられ、全国先進製造業重要基地として100のイノベーションプラットフォーム、20の特定産業別工業パークなどが推進され、西咸(西安と咸陽)新区の建設も進められました。では、その後の発展ぶりはどうでしょうか。       
2012年8月、全国で五つ目、西北部最初の国家級新区である蘭州新区を蘭州(西安の西方、寧夏回族自治区の区都)に建設することが承認されました。同新区には、西北地区経済成長の重要な中心となりつつ、国家級循環経済モデル地区、ハイテク開発区という役割も求められました。第13次5カ年計画期(2016~2020年)に入ると、これら地域のハイテク産業は目覚ましく発展しました。例えば西安は、2014年から、自主的革新能力を有する一千社の優良小企業を育成する<科学技術企業小巨人育成プロジェクト>を開始、市全体の技術交易額は、連年、全国副省級都市のトップを占め、LEDディスプレーでは、「世界の10枚のうち4枚が西安製」と言われるまでになりました。2016年、国家科学技術部の西安ハイテク区に対する総合評価は、全国国家級ハイテク区の中で、「知識創造」と「科学技術革新能力」が共に第3位を占めるまでになりました。       
科学技術面でのこうした発展に合わせ、経済面の整備も精力的に進められました。2017年4月、国務院は全国に7カ所の新自由貿易試験区を成立させましたが、陝西自由貿易試験区はその一つであり、その中の西安国際港務区片区は、国際貿易・現代物流・金融サービス・観光・ECなどの産業の発展に重点を置き、“一帯一路”の国内外をつなぐハブとして役割を果たすことが期待されました。また、西安ハイテク区は半導体で既に2012年にサムソンを招致、2014年には操業を開始していましたが、2017年になると、「第三次創業」として、半導体を含む8つの先端分野をそれぞれ一千億元規模の産業に育てると標榜しました。   

次回は2月11日の更新予定 テーマは<西部地域の発展-黄河中上流域-その2->です。

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