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第956回 西部地域の発展-黄河中上流域-その2-

(2021年2月11日)

コロナの前年、2019年発表の数字では、2018年の陝西省都市住民可処分所得は、約10年前の10,578元から33,319元に(3.15倍)、農村住民では、2,824元から11,213元に(3.97倍)、それぞれ3倍以上に急増しています。中でも、設備製造基地・ハイテク産業基地・国防科学技術工業基地としての発展は目覚ましく、2018年には90.5万社が新規登録、その伸び幅は全国一を記録しました。陝西省はまた、中央アジア、中東、ヨーロッパなどの180余りの国や地域との経済交流の拠点であり、加えて、豊富に産出する石炭・石油・天然ガスなどをベースとした化学工業基地でもあります。また、最近では、3Dプリンター、5Gモバイル通信、航空宇宙関係でも世界の先端レベルに到達しています。       
今、陝西省には三つの優れた経済がある、と言われています。まず、“門戸経済”は中国と欧州を結ぶ経済大動脈の玄関口としての経済活動を指します。以前、海運なら40日かかった欧州輸送が、横断列車なら半分で済み、1コンテナ当たりの費用も3000元にすぎません。2018年に発表された<“一帯一路”(西安)陸海連結大動脈提案>は、東西(欧州-西安-東部沿海地方-韓国-日本)、南北(モンゴル国-内モンゴル-西安-長江-成都-昆明-ASEAN)の物流の中心として西安が占める優位性を発揮し、“公転鉄”(ハイウエーから鉄道に)、“水転鉄”(水運から鉄道に)を通して西安を欧州向け物資の大集散基地にしようというもので、2018年現在、西安から欧州へ向かう長安号は一日3本以上、年間で1235本に達しています。       
次に“枢紐経済”とは西安咸陽飛行場を指します。2018年には国内161都市、国外50都市を結ぶまでになりましたが、2019年1月、国は同国際空港第三期拡張工事を正式に認可、これが完成すれば、同空港の吞吐量は年間延べ8,300万人に達します。   
第三の“流動経済”とは西安ハイテク区と楊凌農業ハイテク産業モデル区を指します。前者では2018年、新エネルギー自動車、光ファイバー、工業用ロボット、太陽電池などの生産が急ピッチで増加(それぞれ70%、51.3%、36.9%、19.4%)しており、また、後者は、中国初の国家レベルの農業ハイテク産業モデル区で、オーストラリアからオレンジ、ニュージーランドからキウイ、ブラジルからコーヒーなどを導入する一方、カザフスタンなど海外へもトウモロコシをはじめ様々な優良品種を提供しています。   

次回は2月18日の更新予定 テーマは<近年の交通インフラ整備>です。

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