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第957回 近年の交通インフラ整備-総論-

(2021年2月18日)

第13次5カ年計画初年の2016年12月、中国初の<中国交通輸送発展>白書が発表されました。それによれば、1949年、新中国発足当時、全国で2.48万キロにすぎなかった鉄道総距離は12.1万キロに達し、そのうち高速鉄道は1.9万キロ(世界一)、複線化率は53.5%、電化率は61.8%に達しました。自動車道路も1949年の8.08万キロから457.73万キロと56倍以上になり、うち、高速道路は12.35万キロ(世界一) 、90年代に建設が始まった農村自動車道路も398.06万キロ(99.8%の建制村に)に達しました。港も1万トン以上のバースは2221本に、全国の吞吐量も世界一に達し、飛行場は民用が210か所、うち51カ所で年間旅客数が延べ1000万人を超えました。       
これをベースに、国務院は2017年3月に<第13次5カ年計画現代総合交通運輸体系発展プラン>を出し、同計画期間の目標を明示し、小康社会の建設を支える網目状の交通ネットワークの形成と質の向上をテーマに、2020年には安全で速く、効率化され環境に優しい現代総合交通運輸システムを完成させる、としました。       
2019年9月、中共中央・国務院はさらに<交通強国建設綱要>を提示し、2021年から21世紀中葉にかけ、2段階に分けて交通強国を建設するとし、まず、「2035年までに近代化された総合交通システムを基本的に完成させる」としました。その中には全国1・2・3交通圏(1時間で通勤でき、都市群内を2時間で、全国主要都市とは3時間で結ぶ)とグローバル1・2・3快速物流圏(国内は1日で、周辺諸国へは2日で、世界の主要都市には3日で)の形成や、京津冀、長江デルタ、粤港澳大湾を世界トップクラスの都市群にすることも明記されました。   
また、スマート化など世界最先端を目指す質の向上とその国内産業チェーン化を目標に、水運では、大中型定期客船、大型液化天然ガス船、極地航行船舶、スマート船舶、新型エネルギー船舶などの自主設計建造能力の強化が謳われました。   
2020年12月、第13次5カ年計画の結果を示す<中国交通輸送発展>白書が発表されました。高速鉄道は3.5万キロ、高速道路は15.0万キロ、1万トン以上のバースは2520本、民用飛行場は238か所、農村自動車道路は420.1万キロに増えました。各交通インフラの具体的内容と次期第14次5か年計画に盛り込まれた内容については、次回以降に。   

次回は2月18日の更新予定 テーマは<近年の交通インフラ整備-鉄道->です。

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