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第958回 近年の交通インフラ整備-鉄道-

(2021年2月25日)

2016年の<中長期鉄路網計画>で、「2025年には高速鉄道を倍増させ、2030年には隣接する大中都市を1~4時間で結ぶ」とぶち上げた中国。それまでの“四縦四横”計画が“八縦八横”にアップグレードされたことは以前にも言及しました。同年末には東西を結ぶ線として最長の高速鉄道、滬昆線(上海-昆明)が開通、また、世界初の極寒地長距離高速鉄道、哈大線(ハルビン-大連)はこの地域の主要諸都市を1時間交通圏に組み込んでいます。       
翌2017年、陝西省宝鶏-甘粛省天水-蘭州を結ぶ宝蘭高鉄線が開通、徐蘭高鉄(江蘇省徐州-甘粛省蘭州)の西宝区間(西安-宝鶏)と蘭新高鉄(蘭州-新疆ウイグル自治区ウルムチ)をつなぎ、これによって、中国西北部がいよいよ全面的に高速鉄道網に組み込まれました。       
2018年は“八縦八横”へ拡大する各プロジェクトが全面的に展開されました。その中では、2020年12月に、山西省太原と河南省鄭州を結ぶ鄭太高鉄線が開通、内モンゴル自治区のフフホトから広西チワン族自治区の南寧に到る高鉄線の重要な部分がつながりました。また、復興号の時速350キロの試運転も始まりました。こうした成果を踏まえて打ち出されたのが、前号で紹介した2019年の<交通強国建設綱要>の二つの1・2・3交通圏と、三つの交通網(発達した快速網、整備された幹線網、広範囲の基礎網)で、鉄道がその中でとりわけ重要な地位を占めていることは言うまでもありません。   
一方、輸送面では、陸のシルクロードを走る中欧列車が2018年、前年比72%増の6300本に急増、その勢いはその後も続き、2020年は年間1.24万本に達し、コンテナ輸送も前年比56%増の113.5万ケースを記録しました。特に注目すべきは、コンテナの往復使用率が98.3%に達したこと、国際ECが3840万個にもなったことで、隔世の感があります。   
こうした鉄道輸送の発展の中で最近注目されるのが、陸海輸送の連結です。四川省の成都国際鉄路港は2019年に中国初の陸港型物流中枢に認定され、省内18都市、省外55都市と結び、7本の国際鉄道につながるとともに、6本の国際鉄道海運輸送連結ルートを形成し、一帯一路を結ぶパンタグラフの役割を本格的に果たし始めました。このような形の陸港は江西省の南昌でも見られます。2020年末~2021年初頭に多くの新線が投入され、2021年1月20日からは新しい全国鉄路列車運行ダイヤがスタート、輸送力は一段と強化されました。   

次回は3月4日の更新予定 テーマは<近年の交通インフラ整備-道路->です。

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