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第973回 自動車産業、20年代以降を見据えて-その2-

(2021年6月10日)

 2021年1月に中国自動車工業会が発表した統計によると、2020年の自動車生産台数は2522.5万台(前年比2.0%減)、販売台数は2531.1万台(前年比1.9%減)で、前年に比べ減少幅はそれぞれ5.5ポイント、6.35ポイント縮まり、どちらもなお、12年連続世界一を維持しました。販売台数は世界全体の33%を占めています。その中で新エネルギー自動車は、生産と販売がそれぞれ136.5万台、136.7万台(前年比7.5%増、10.9%増)でいずれもこれまでの最高を記録しました。また、スマートシステムを搭載した新車の比率は48.8%、自動運転機能を備えた新車も新車販売の15%を占めるに至っています。       
 2020年春の全人代政府工作報告で、「自動車消費の促進、新エネルギー車の普及」が掲げられたのち、6月にかけて全国10数か所の都市で購入補助、免税措置などの自動車消費奨励政策が打ち出され、買い替え需要の喚起も図られました。2020年7月から半年間、政府の音頭取りで農村地域への新エネルギー車の普及、すなわち“新能源車下郷活動”も始まり、関連10社が16種類の農村向け純電動車を投入しました。
 こうした中、同年11月、政府は<新エネルギー自動車産業発展計画(2021-2035)>を発表しました。この計画は、2018年から立案が進められたもので、新エネルギー自動車の発展を国家戦略として位置づけ、電動化、コネクテッド化、スマート化を進める上で、現在、中国の同産業が抱えるいくつかの問題、例えば①コア技術の革新能力が弱い ②品質保証システムが整っていない ③インフラが不十分 ④産業形態の未発達を解決することを当面の目標とし、これを実現するため、政府の政策や様々な規制を改善し、知財権保護を強化し、人材育成をサポートするなどの項目を掲げました。       
 その具体的な目標を見てみましょう。2025年目標としては、コア技術で成果を挙げることがまず第一で、数値的には新エネルギー車を新車販売量の20%に、電気自動車の平均電力消耗を12.0kwh/100kmにするとともに、充電・交換のサービスを向上させ、地域を限定して高度な自動運転車を商用化することを掲げ、2035年目標としては、高度自動運転車の広域普及、燃料電池車の商用化、公共部門の全電動車化を推進し、更に、水素燃料の供給システムを着実に整えることを掲げました。       

次回は6月17の更新予定 テーマは<自動車産業、20年代以降を見据えて-その3->です。

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