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第988回 農村トピックス-その2-

(2021年9月23日)

 2021年2月9日の人民日報に、同年3月1日から施行される「農村土地経営権移転管理規則」に関する記事が掲載されました。それによると、2014年に「農村の土地経営権の秩序ある流動を指導し、農業の適度な規模化経営を発展させることに関する意見」が出されて以降、いくつかの過程を経て、2018年の13期全人代常務委員会第7回会議で修訂「農村土地請負法」が可決されたことで農村土地請負の「三権(集団所有権・農家請負権・土地経営権)分置」が確立され、農村の土地経営権の流通が規範化され、土地経営権に融資担保機能も賦与され、なおかつ社会資本の参入に対する監督管理制度の確立も求められました。これに合わせて、2005年に制定された「農村土地請負経営権移転管理規則」に修正が加えられたのです。「請負」を取ることは、土地経営権を他の二つの権利と平等に扱い、保護し、土地資源の有効利用を後押しすることを意味します。その一方で、前回述べたように、食糧の安全保障という観点から、耕地の確保は最優先課題とし、今回の修正ではその点のチェックも非常に重視されました。       
 ほぼすべての農村に自動車道路が行き渡り、公共バスの運行も普及する中、農村の生活も急ピッチで変化しています。以前は青海省などと並び貧しい省の代表だったのに、今では、ビックデータなど最先端技術が集結する省として全国でも上位にランクされる貴州省では、第13次5カ年計画中(~2020年)に8900の行政村に光ケーブルを設置、末端の小規模な自然村にも4G、スマホが行き渡り、ECも盛んになりました。農村生活の大きな変化は燃料が石炭などから天然ガスに変わったことでしょう。気候変動への対応が拍車をかけたことは言うまでもありません。電気の普及で、電気で暖を取ることができるようになったのも大きな変化で、併せて最近では建築用断熱材が普及し始め、生活が一変しました。
 農村の目覚ましい発展の象徴が農業の科学技術化、即ち情報化と機械化です。2020年の統計によれば、農業のデジタル化レベルは10%に、科学技術の農業に対する貢献度は60%に迫っています。また、応用面から見ると、データプラットフォームサービスが40%を占め、続いて、ドローンの利用が35%、精密農業が15%、農業機械の自動運転が10%となっています。

次回は9月30日更新予定 テーマは<カーボンニュートラルと中国>です。

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