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第990回 カーボンニュートラルと中国-その2-

(2021年10月7日)

 一方、中国国内のカーボンニュートラルに関わるこれまでの動きはどうだったのでしょうか。中国では2014年に全国145都市で大気汚染基準をクリアできず、PM2.5など深刻な大気汚染に見舞われ、<新環境保護法>など環境対策が本格化ました。スモッグの原因は自動車の排ガス、火力発電所など化石燃料の使用による結果が大きく、二酸化炭素などの排出にも直結します。2015年までの第12次5カ年計画では、7.44億トンの二酸化炭素の排出を削減した、との数字も発表されていますが、不十分だったことは明白です。その意味で、2016年元旦に試行された<大気汚染防止法>は新たなスタートだったと言えましょう。同時に“緑色経済システム”の構築にもこの頃から本腰が入りました。このあたり、詳しくは当コラムの751~755号をご参照ください。       
 上記のような経過から、第13次5カ年計画では、“低碳”(二酸化炭素削減)に本腰が入りました。計画初年(2016年)の人民日報を見ても、北京市・浙江省など各地の取り組みが紹介されました。湖南省の長沙市では空気中の二酸化炭素吸収のために成長の速い草を植え、これを刈り取った後、加工して標準炭代わりにしてカーボンニュートラルを実現する取り組みも始まりました。時を同じくして「パリ協定」が同年4月に調印され、関連する大型記事が紙面に溢れかえりました。同年11月、国務院は<第13次5カ年計画温室効果ガス排出工作プラン>を発し、単位GDP当たりの二酸化炭素排出量を2015年比で2020年には18%減らすとし、①“低碳”でエネルギー革命を牽引 ②“低碳”産業システムの構築 ③都市化の“低碳”型発展の推進 ④地域単位の“低碳”型発展の推進 ⑤全国排出権取引市場の建設・運営 ⑥“低碳”科学技術の革新など8つの重点任務を掲げました。2016年はこのほか、“低碳”実施に向けた各種の取り組みも盛んになり、金融機関では中信銀行が江蘇省鎮江市と協力して500億元の“低碳”産業基金を設けるというニュースも大きく報じられました。また、民間では、アント・フィナンシャルが「もしアリペイのユーザーみんながちょっと行動すれば、二年で大興安嶺を生み出せる」というスローガンでカーボンオフセット口座を開設しました。人々の排出削減努力を記録して取引するもので、4.5億人のユーザーが利用すれば、広範な森林の二酸化炭素吸収量に相当するというものです。続きは次回に。

次回は10月14日更新予定 テーマは<カーボンニュートラルと中国-その3->です。

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