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第997回 6中全会「歴史決議」を巡って-その1-

(2021年11月25日)

 周知のとおり、2021年11月8~11日、中国共産党六中全会が開催され、「党の百年の奮闘と重大な成果及び歴史的経験に関する中共中央の決議」(略称:歴史決議)と「党の第20回党大会開催に関する決議」を採択しました。既に各メディアでも1945年の毛沢東による歴史決議や1981年の鄧小平による歴史決議との比較に基づく論評が掲載されていますが、まずその内容がどのように構成されているかを見てみましょう。なお、示されたページ数は、およその比率を知るために1ページ1500字程度にしたページ数を記したものです。     
 序言(1p)、[一]新民主主義革命の偉大な勝利(3p)、[二]社会主義革命の完成と社会主義建設の推進(3p)、[三]改革開放と社会主義現代化建設(4.5p)、[四]中国独自の社会主義新時代の幕開け(20.5p)、[五]中国共産党百年の奮闘の意義(2p)、[六] 中国共産党百年の奮闘の歴史的経験(3.25p)、[七]新時代の中国共産党(2p)       
 次に、各章について見てみましょう。[一]章は新民主主義革命時期の概述であり、中国共産党誕生から新中国成立までの沿革史です。[二]章では1956年の八全大会前後までの、土地改革、三反五反運動、チベット解放、憲法の制定、商工業の社会主義的改造、四つの現代化の提起、核爆弾の開発、平和五原則に基づく外交、十大関係論の提起などを列挙し、その成果を誇った後、「残念なことには」という書き出しで「大躍進」政策の失敗に触れています。そして、人民公社化運動や反右派闘争は間違いであり、「社会主義社会の階級闘争に対する毛沢東同志の理論と実践における過ちはますます深刻になった」と叙述しています。そしてその間違いが文化大革命の発動に通じ、林彪や江青らに利用され、十年の内乱を生じさせ、新中国成立以来最悪の挫折と損失をもたらした、と結んでいます。     
 次に、本論たる[四]は更に以下のような構成になっています(注:一行44文字)。[四]章:(一)党の全面的指導の堅持(26行)、(二)党の紀律の厳格化(65行)、(三)経済建設(40行)、(四)改革開放の全面深化(32行)、(五)政治建設(35行)、(六)全面的な法治化(27行)、(七)文化建設(44行)、(八)社会建設(56行)、(九)生態文明建設(26行)、(十)国防建設(40行)、(十一)国家の治安(27行)、(十二)一国二制度の堅持と祖国統一推進(30行)、(十三)外交活動の面(27行)

次回は12月9日更新予定(12月2日は休載します) テーマは<6中全会「歴史決議」を巡って-その2->です。

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