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Last Update:2020/2/20
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コラム 中国ビジネス噺

第19回 「新型コロナウイルス」発症で思うこと

2019年2月20日)

  当に現在拡散を続けております「新型コロナウイルス」は中国進出企業をはじめ、多くの企業活動に影響を及ぼしております。
  今や日本企業で中国と関連のない企業は殆ど無いと思われます。また間接的に影響のある業種を考えるとその影響は計り知れないものが予想されます。
  今回思うことは2003年に発症しました「SARS」のことです。
  当時、中国安徽省合肥市に駐在していておりましたが、発症の事実は現地にいた我々にも情報が全くない状態で、事の重大さは全く理解できなかったというのが現実でした。
  上海総領事館の小林医務官から突然携帯に電話が入り、安徽省で原因不明の呼吸器疾患の患者が出たので調べてほしいという連絡を受けました。
  当時私が安徽省日本人会の取り纏め役をしておりました関係で、早速当社の医師に連絡して状況を調査いたしましたが、政府は何も公表していないのでなかなか手掛かりがつかめず、ようやく個人的なルートで状況が分かってきたというのが現実でした。
  というある日、開発区の副主任から「明日のうちに省からの出入りが禁止になる」という連絡を受け、慌てて安徽省脱出を試み、駐在員は車に分乗して上海空港を目指しましたが、普段渋滞する高速道路や大混雑のドライブインは見事にゴーストタウンさながらになっていました。
  突然の移動禁止令に我々も戸惑いましたが、行き場のない中国人スタッフへも不安感や、情報がない事での恐怖感が急激に高まっていきました。
  我々は何とか日本へ戻ることができましたが、会社へ出社すると人事から提案されたのは、「駐在員用のマスクとタミフルを送付したいがどのくらい必要か?」という話でした。
  私からは、「安徽省の工場には600人の中国人従業員がいるのを忘れないでほしい」という話をしました。
  このことで、海外に出先を持つ日本企業でよくある感覚だと改めて認識させられました。日本側では日本から送り出しているメンバーの顔しか浮かばないということで、現地スタッフと苦楽を共にしている駐在員とは感覚のずれが生じていました。
  その後会社ではマスクとタミフルを可能な限り集めて現地へ送ることになりましたが、もし駐在員分しか届かなった場合、現地のスタッフはどのような気分になったでしょう。
  この後中国で行われる行事やのキャンセルや生産計画の変更等、暫く混乱が起きましたが、現地スタッフと協力して何とか乗り越えることが出来ました。
  今回の「新型コロナウイルス」の早期収束を祈るばかりです。
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