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(2020年5月14日)
「新型コロナウイルス」への様々な対応が迫られている現在、日本と各国の対応の違いが浮き彫りになってきているように思えます。 我々がビジネスを行っている中国の対応を見ても、今後参考にしていくべき点が多々あると感じております。 中国は国土の広さや個人主義の国民をどう束ねるかという観点で、トップダウンにより様々な施策がスピーディーに行われてきたように思います。20年前の携帯電話の急速な普及に始まり、ITを活用した取り組み。最近ではキャッシュレス化のスピード感には驚きを感じます。そして今回のコロナへの徹底した対応です。 勿論背景には国の体制の違いはありますが、我々がビジネスを行う上で理解しなければならないのは、中国人気質や国情の違いではないでしょうか。 中国ビジネスで我々が直面するのは、中国人の「個人主義」や「罰則主義」です。 皆さんも思い当たる点が多いかと思います。例えば道路の真ん中に転がった大きな石を皆は何事もなく避けていきますが誰一人動かそうとする人はいません。 生産現場で重要な安全活動の場面で、安全の根本的な必要性を説いてもなかなか理解されず、「守らせるなら罰金!」と結論づけられたりするような経験は無いでしょうか。 このように「個人主義」で協調性が無いような場面はあるものの、一方で見知らぬ人同士でもバス停で会うなり普通に挨拶をかわしたり、車中でお年寄りに自然に席を譲ることや、バス代に小銭が無い時など周りの乗客が小銭と交換してくれるなど、自然な行動として周りを助ける行動は日本よりもより多く目にしてきました。 コロナの外出禁止令下でも、特別にマンションのルールが無くても、買い物人数を減らす為や、年寄世帯の為に自然に誰かが手伝っているという報道を目にしました。 日本人は団結力が強いとよく言われますが、このような中国人気質と比べると少し違うような気がしています。 日本の社会はマンションの隣に誰がいるかわからないし、見知らぬ人とはバス停で会っても挨拶はありません。 日本人の団結力とは何なのでしょう。「組織内団結力」ということでしょうか。 「会社」「学校」「クラブ」等々「組織」を構成すると途端に団結が生まれるのが日本人の団結力のような気がします。 周りを気にせず「個人主義的」行動を取る中国人はむしろ「合理的」で、周りを気にして行動を抑制する日本人は結果的に決断が遅れビジネスチャンスを失することもあるのではないでしょうか。 コロナのような国難と呼ばれるような緊急体制の中で、「組織」に関わらずもっと広い目線で団結できるかどうか、中国に見習うべきものもあるかもしれません。
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