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(2020年12月10日)
コロナがまだ収束していない中、この大変な時期に中国へ赴任される方もいらっしゃるように聞いております。 上海空港に降り立ってみると、現代中国は街も発展していますし、空港やホテルのサービスも申し分なく、日本にいるのと変わらない生活環境になっていますので、その面では何ら違和感は感じられないと思います。 しかし、この環境はここ20年間で急激に変化したものです。 25年前は、駐在員が外貨を両替すると、外貨兌換券が発行され流通していた時代です。 航空券、鉄道、レストラン、映画館、劇場等あらゆる料金は中国人料金のほかに外国人料金が設定されていて、中国人より高く払わなければならない時代でした。 また、文化大革命で「下放」した経験者も社内は多くいたのが現状で、現在60歳代前半の人までが文革経験者であることも頭の隅に入れておくと中国の理解に役立つと思います。 中国で仕事を始めるときまず注意しなければならいのは、中国人の「面子」を大事にする言動です。中国では公私を問わずお互いの「面子」を何より大切にします。 例えば、仕事で部下に対して指導する場合でも、他の中国人スタッフの前で指摘することは部下の「面子」を汚してしまうことになり避けなければなりません。 別の部屋で話すとか、周りに人がいないタイミングで話すことでより効果的に伝えることが出来ます。 また、中国人同士の会話は自分の「面子」を守るために意見をストレートに主張します。傍から見ると礼儀を欠いているような勢いに見えますが、決して争っているわけではなく、お互いの主張に「道理」があるとそこで「面子」を下して話はまとまります。 日本人の会話は往々にして「謙譲」の表現が多く、このような中国の習慣の中では遠回しで結論が見えにくいために真意が伝わらないこともあります。 意見を言う場合は、まずイエスかノーかをはっきり示して、要点をストレートに話すことが中国スタイルといえるでしょう。 中国での仕事は、まず「食事」から始まります。 初対面の相手でも、一通りの挨拶が済むと本題に入る前に食事に誘うケースが多いのです。 ここで、取引先に挨拶に行って夕食の招待を受けたとしましょう。 中国のレストランは基本的に円卓です。このようなケースですと招待側が円卓の上席の位置で客を迎える形になることが多いと思われます。 円卓では招待側が席を指定していることが多いので、名札があればその位置に、名札が無ければ招待側の案内を待ちましょう。 日本のように自由に好きな席に座らないようにしましょう。
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