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(2021年1月14日)
中国の日本人駐在員の中でよく言われる言葉があります。 「焦らず!慌てず!諦めず!当てにせず!侮らず!」 これは中国人気質を表した言葉で、よく中国人と付き合う「5A」(5つの言葉の頭の音)といわれる言葉です。 これは中国で生活してみると「言い得て妙!」であるとつくづく思います。 仕事の上でも、一度指示したことがこちらの意図した結果と違うことは日常茶飯事です。間違いを正しても、「間違った」とは言わず「わかってます!」という顔をしています。 ここは「焦らず!慌てず!諦めず!」、何度も確認して正しい結果が出るまで根気よく指導することが肝要なのです。 また、ある程度慣れたと思って結果の確認をしないでいるとまたミスが起こることがままあるのです。完全に当てにしていると管理者の足元をすくわれるリスクがあります。 当に「当てにせず!」ということで、再発防止のための業務のチェック機能を働かせて置くことがポイントです。 しかしながら能力がないというわけではありません。一人一人が自分の工程だけを考えて「後工程」を全く考えないのが一般的と思わなければなりませんが、担当業務についての金銭評価等を導入すると実に良い仕事してくれるのです。当に「侮らず!」 前回、仕事は食事から始まるということを書きました。 中国では食事は日本とは違うニュアンスがあります。皆さんの職場での朝の挨拶で「吃飯了?」(ご飯食べた?)という言葉を耳にされたことがあるでしょう。これはまさに「おはよう!」の意味なのです。 中国では食事をきちんと食べることは大切であり、食事の場は大切なコミュニケーションの場です。このコロナ禍では、コミュニケーションがままならないので残念です。 昼でも、夜でも、仕事でも、プライベートでも食事にアルコールはつきものです。ここで、アルコールのマナーについて触れましょう。 勿論アルコールが飲めない人は無理をする必要はありません、ノンアルコールでお付き合いすれば問題ありません。 日本との違いは、自分の杯には自分で注ぎます。そして必ず誰かと「乾杯」の形で杯を空けます。日本のように相手の方にお酌をし、飲むのは自分のペースでということはしません。つまり、お酒は相手の為に飲むもので「健康を祝す」「お招きに感謝」等の意味を込めて飲むことに意味が有ります。お酒は大事なコミュニケーションのツールです。相手を見つけて必ず一言添えて乾杯すれば話が弾むというものです。 また、相手に誘われて乾杯した時は、後でその方にお礼の「乾杯!」を忘れないようにしましょう。 食事の話題の際でも気を付けなければならない一般的にタブーの言葉がありますので、注意しましょう。 まず、縁起の悪い数字です。「四」は発音が「死」と同じなので避けることが多いので部屋番号が飛ばされたりすることもありますので気を付けましょう。 「二五0」「十三」は「二百五」「十三点」という故事からきて諸説ありますが、夫々「普通ではない事」が起源で、「頭がおかしい人」「気が変な人」という意味になりますので、この数字が来たら中国人は大抵は反応しますので承知しておいた方がいいでしょう。 次に、贈ってはいけない物です。 「梨」は離別の「離」と同じ発音なので別れるという意味。お見舞いには禁物。 「傘」は離散の「散」と同じ発音でこちらも別れるという意味。彼女に送ってはいけません。 「掛時計」「置き時計」は中国語では「鐘」という字がつくので時計を送る「送鐘」の発音が「送終」(死者を弔う)と同じということで縁起が悪いとされます。 会社や、役所等へ訪問時のお土産についても、中国の習慣では一人ずつ渡すのが一般的です。ただし相手が組織の場合には、トップの数名には一人づつ、後は皆さん一緒でも構いません。そして、日本風に「つまらないものですが」と謙遜するのは返って失礼になりますので、「日本の銘菓をわざわざ持ってきました」という様に堂々と渡しましょう。
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