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Last Update:2022/1/20
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コラム 中国ビジネス噺

第42回 これから中国へ赴任される方へ(14)

(2021年12月16日)

   新年あけましておめでとうございます。皆さまには中国や日本でそれぞれ元旦を過ごされたことと思います。中国の今年の春節は2月1日ですので、中国におられる方はこれから年末を迎えることになるため、これから月末にかけて慌ただしくなるかと思います。今年は北京オリンピックを控え、コロナの抑え込み問題を抱えながらの年末ですので、春節休暇中の国内移動には地域により特別の規制も予測されることから充分に事前情報を入手しておくことが重要と思われます。
 中国人にとっての春節は日本の正月よりも深い意味合いを持っているように感じます。中国では習慣的に春節以外に定休日を持たないという小売業も多く、このような環境で働く人にとっては春節が年に一度の帰省できるチャンスという事になり、皆さんこの日を心待ちにして故郷へのお土産や、離れて暮らす子供へのお土産を持参して帰郷することがこの時期の慣わしとなっています。
 中国企業では春節の前に「忘年会」を開いて社員に感謝の意を表す習慣がありますが、このコロナ禍で今は開催が難しい状況です。この「忘年会」ですが、中国の忘年会は日本の意味合いとは少し違いがあります。日本では、会社や組織の形をそのまま持ち込んでいるので、若い人たちからは仕事の延長のように感じられて近頃は敬遠されがちのようですが、中国では従業員への日ごろの感謝の気持ちを表すために会社が開催するという意味が有ります。特に人気があるのは空くじなしの福引でしょう。中国では会社主催のイベントでは必ずといっていいほど景品が当たる福引きが行われ、基本的に全員が何かしら持って帰るという仕組みになっています。また、会社によっては家族も招待して開催することも多いので、このような機会に上下の隔てなくフリーに話をしたり、家族を紹介し合ったりして交流を深める大変良い機会になっています。
 また、春節明けの新年第一日目の仕事初めの日には、門の前で会社幹部が従業員を出迎えるなど、故郷から帰ってきた従業員に感謝の意を伝えるという習慣もあります。これらの習慣はやはり春節が国民にとっていかに特別なものかを表しているように思います。 新年、出勤の第一日目に会社幹部と工会が協力して従業員を出迎えるというイベントは私も実際に経験しましたが、従業員も毎年恒例となっているこの習慣を知っているので、皆さん楽しみにして、また少しお洒落をして初出勤に臨んでいるように見えました。ほんの些細なことかもしれませんが人と人との関りにおいては、このような心使いが良いコミュニケーションを生む土壌となるのではと思います。中国での春節の意味をこの機会によく観察して頂き、今後中国人との付き合いに活かしていけると、また一つ中国文化の理解につながるのではと思います。

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