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(2022年2月10日)
新年快楽! 虎年大吉! 虎虎生威! 今年の中国の新年は2月1日ですので、この原稿を書いている頃、中国は正月休みに入っているところです。しかし今年の中国はゼロコロナに向けたコロナの完全な押さえつけの為に、感染地域からの移動制限や、感染地域の封鎖など例年とは違う状況になっています。更に北京では冬季オリンピックが開催されて、海外からの入国者を迎えているためにコロナの持ち込みと伝播のリスクを厳しく監視しています。ここでの中国の“武器”は市中に配備された監視カメラでしょう。近年の中国は監視カメラ大国といっていいほどの監視カメラによる監視体制が敷かれています。 既に2億台以上が設置されているといわれており、将来は6億台つまり人口の半分近い台数を配備するといわれています。これは世界的に見ても圧倒的な密度であり、世界の監視カメラ配備都市としてはトップ10の内8都市を中国が占めているという現状です。監視カメラは国民の安全を守る上では有効である一方、プライバシーは尊重されないという弊害が生じています。中国に駐在する上でこのようなインフラは皆さんがよく利用する空港、高速道路、ホテル、レストラン等でも必ず配備されていることを認識の上、行動や発言で誤解を招かないように注意することが必要でしょう。 コロナ前に上海で高速道路を通行しましたが、以前よりみんなが交通マナーを守っているような印象があり、中国人の友人に聞いたところ、高速道路に大量に配備された監視カメラの抑止力でスピードを守っているとのことです。スピード違反をパトカーで追跡することもなくなり、違反者には写真付きで違反切符と反則金振込用紙が送られてくるシステムになっているという、何とも効率のよいシステムが出来上がっているようです。 一方で我々外国人に対しては、居住場所や滞在するホテル等の情報は全て中国当局の監視下にあるのが現状ですので、監視カメラを使えば容易に一日の行動をすべて監視することも出来ます。日常生活において不都合はないものの、プライバシーもすべて知られているというのも気分の良いものではありません。これから中国へ行かれる方は空港やショッピング等で人数制限のある場所や、立ち入りが制限されている場所など、うっかり入ると監視カメラの目がありますのでくれぐれも入口の注意書に気を付けて行動されるようにしてください。
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