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(2023年1月19日)
新年あけましておめでとうございます。 ゼロコロナ対策を推進してきた中国も昨年末から経済活動に向けて舵を切り、入国制限が取り払われたことは経済界にとって良いニュースです。日本との往来については日本側の入国条件等への対抗措置でビザの発給を停止するなど、双方の行き来にはまだ不自由が残りますが、少しずつコロナ前の環境に戻りつつある流れといってよいでしょう。 日本は依然としてコロナ禍の影響を残す正月でしたが、今年の中国の春節は、コロナの蔓延や防疫対策の懸念もありながら久々に“民族大移動”が予想されます。報道では、延べ20億人との予測もあり、訪日観光客や中国国内での移動にはまだまだ注意する必要があるでしょう。 そうはいっても、やはり春節は中国人にとっては年に一度の大イベントであり、日本の正月よりも深い意味合いを持っているように感じます。中国では習慣的に春節以外には定休日を持たない事業者も多く、それらの人々の多くは春節が年に一度の帰省のチャンスという事になります。加えてコロナ禍でしばらく帰省出来なかった人も大勢いましたので今年の春節は例年になく大規模なものになることでしょう。 コロナ前、中国の現地企業では春節前に社員に感謝を示す意味で「忘年会」が催される習慣がありますが、日本の忘年会とは少し様子が違います。日本では宴会に会社や組織をそのまま持ちこむため若い人たちには敬遠されがちで、大人数を避けた職場の親しい仲間たちや同期などとのプライベートに近い「忘年会」が多いようです。 中国での「忘年会」は、社員へ日ごろの感謝の意を込めて会社が主催し、多くの企業では社員だけでなく社員の家族も招待して慰労することが一般的です。今年はまだコロナの影響で大規模な催しは難しいかもしれませんが、春節の後に社員が元気に戻ってくるように、年末に社員へ慰労の気持ちを表すことは労務管理上も良い効果を生みます。今年の春節は1月22日です。中国人の大部分はそろそろ帰省の準備で気持ちはそちらへ向いていると思いますが、会社としても年末年始の活動について確認をしておきましょう。また、中国の国有企業では年末年始にはある習慣があります。春節休暇に入る最終日の定時に会社の幹部、工会幹部が会社の入口に立って社員を見送ります。そして春節明けの初日にも同じように会社の入口で出迎えるという習慣です。 中国では会社生活は自身の生活の一部であり、様々なタイミングで会社と一体となった活動が良いコミュニケーションを生み、会社への帰属意識を高める効果があります。皆さんの組織でも社員と独自にアイデアを出し合って、年末年始に何か有意義な活動が出来ると良いのではと思います。
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