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(2023年3月9日)
ようやくコロナも落ち着き、海外からの旅行者も日に日に増えてきていますが、中国からの訪日にはまだ規制がかかっている状況です(3月末現在)。但し、日本から中国への渡航に関してはVISAの取得が必要ではありますが、3月15日から全ての渡航目的でVISA発給が始まっています。中国国内も通勤や買い物など以前の状況に戻ってはいるようですが、コロナ前とはビジネスのやり方には変化が生じているようです。 コロナを機に、最近はリモート会議等も普通に行われているので、特に対面での接触が減っている遠隔地とのコミュニケーションをどのように取っていくか、以前より工夫していく必要があるでしょう。例えば、定例の会議をリモートで行うことを想定しましょう。中国では共産党の会議の映像で見ても推測できる通り、オフィシャルな会議というのはトップダウンで行われ、自由に意見をいう事は出来ません。中国の皆さんはこのような状況に慣れているので、日本のように社内会議で自由に意見を交換するという事には慣れていないという前提があります。ここを意識して管理することがポイントです。遠隔地の拠点を統括される場合、まず第一には「権限移譲」を進めることです。この場合重要なのは「権限」と「責任」を明確に指示することです。そして成果に対して「信賞必罰」を明確に提示することがポイントです。 これを円滑に運用する為には部下との良いコミュニケーションが必要です。前述のように一般の中国人にとって会議はトップダウンが基本で、会議とは上からの指示を聞くものという認識が普通です。ここで敢えて会議の冒頭に拠点長やスタッフに対して日ごろの業務に対する感謝の言葉をかけてあげるのがコツです。拠点長にとっては部下も聞いている前で感謝されることは大いに面子が立つことになります。そしてもし拠点長に注意や改善を求めるような場合には、拠点のスタッフがいない場面で単独で話すように、あくまでも面子をつぶさないマネージメントを心がけると相手からの信頼を得ることに繋がると思います。中国では一般的に部下の前で褒められることは稀なので間違いなく良い気分になるはずです。 中国人スタッフとのコミュニケーションの醸成には、ある程度の遊び心が必要です。拠点に出張に出かける機会があれば、仕事だけで終わるのではなく、食事会などを設けて中国人スタッフと打ち解けて交流することはとても効果があります。中国人は会社も生活の一部という位置付けで、会社でも楽しく過ごしたいという気持ちが強いので、「会社は仕事のみ」という割り切りで、なんの遊び心もない会社はあまり魅力的ではないでしょう。 中国人は基本共稼ぎなので、「今日は家内が出張でいないので子供の夕飯は私が担当です」というケースも多く、食事会に子供を同伴することもごく普通に見受けられますし、周囲もごく普通に受け入れています。食事会ではプライベートな話も出たりするので遠隔地のスタッフとも距離がぐっと近くなります。コロナ禍が完全に終息していない現在はなかなかままならないですが、自由になってから食事会などは中国人社員とのコミュニケーションを図ることは有効な方法と思います。
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