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Last Update:2023/10/13
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コラム 中国ビジネス噺

第63回 これから中国へ赴任される方へ(35)

(2023年10月13日)

   今年は9月29日からの中秋節と10月1日からの国慶節が連続したことで8日間の大型連休となりました。心配されていた原発処理水海洋放出の影響も多少はあるものの多くの旅行者が中国から入ってきているようです。中国でビジネスをしている我々の心配事は、些細なことを発端として起こる反日行動です。幸いにして今回は訪日の観光客が多いことからも、今のところ2005年や2012年の反日行動の再来は見られずこのまま落ち着いてくれることを願わずにはいられません。
 コロナ後の海外からの旅行者増でよく目にするようになったのは「翻訳機」の存在です。中国とのビジネスを行っている皆さんも中国での業務、中国人スタッフとのコミュニケーションに当たって中国語の壁を意識されている方は多いと思います。
 中国現地でのビジネスでは各企業はどのように対応しているでしょうか。様々な方法を取り入れているようですが、具体的には「通訳を雇っている」「翻訳機を使用」「社員で日本語のできる人材を活用」等の方法が一般的のようです。現地社員の中に日本語が堪能な人材が豊富にいれば問題はないですが、少数の場合はその人に通訳業務の負担がかかってしまい、本来業務の効率が下がってしまうという問題が起こります。このような場合はやはり「通訳を雇う」方法が良いでしょう。
 日本人側としては中国語の講師を招いて定期的に中国語の勉強をするという機会を設けている企業もありますが、出張や業務多忙でなかなか時間が取れないというのも現実のようです。ところでこの「翻訳機」というのは近年急速に進化したこともあり、旅行者にとっては買い物や道を尋ねるなどにはかなり有効な手段になっているようです。それでは、ビジネスにはどの程度有効に機能するかということになりますが、簡単な文章の確認や簡単な指示くらいであれば便利ですが、ビジネス上の検討や調整等の場面ではおそらく期待できる機能は得られないでしょう。
 中国ビジネスの成功の秘訣はやはりコミュニケーション創りから始まります。まず、社内での良好なコミュニケーションを築かなくてはなりません。そして対外的なビジネスの場面でもまずは食事からスタートします。コミュニケーション創りには大きく2つの要素があります。一つは自らのコミュニケーション能力です。もう一つはツールとしての言語能力です。コミュニケーション能力につきましては、様々な要素がありまして一朝一夕に身につくものではありませんが、海外赴任などを契機に意識して自らを変えていくことにチャレンジしてはどうでしょう。言語につきましては、誰でも大きな可能性があります。つまり中国人は皆中国語を話しているわけですから、外国人でも話すことが出来るようになるはずです。そしてそのためには中国に関わることや中国に住むことは最大のチャンスと言えるでしょう。
 コミュニケーションにはやはり自分の言葉で話すことが大切です、「翻訳機」は便宜的に利用することは有効ですが、人間同士の信頼関係を作る為には何とか自分の言葉で意思を伝えることが一番のポイントです。

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