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Last Update:2023/12/14
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コラム 中国ビジネス噺

第65回 これから中国へ赴任される方へ(37)

(2023年12月14日)

   
 最近中国へ赴任された方から中国でのお客様用のお土産の取り扱いについて質問がありました。日本から中国の取引先へ持っていくお土産の内容や金額についてどのように考えたらよいかという内容です。日本でも接待に関する規制は厳格になっています。特に公職に就いている相手に対しては接待する側も気を遣う必要があります。
 中国では「贈収賄」に対する犯罪規定はありますが「商業賄賂」に特化した法律は無いようです。しかし、個人や法人に対して3万元以上の商業賄賂を提供した場合は「贈賄罪」が適用されるという解釈があるので注意が必要です。改正された刑法164条では「不当な利益を得るために、会社、企業又はその他組織の従業員に金銭や物資を与え、その額が比較的大きい場合3年以下の有期懲役または拘留に処する、」という規定があります。この判断は、贈る目的、品物、金額で判断されると思いますが、特に注意が必要なのは、政府幹部との付き合いです。政府幹部へのお土産や食事の提供ですが、正常なお付き合いの中で行われるレベルであれば「賄賂」ではなく「贈与」に当たると考えられ、不法性は無いと思われます。
 前出のように日本から持っていくお土産のようなケースでは、金額の目安は200元程度であれば賄賂性は無いと思われますが、政府によっては一切受け取らないことにしているところもあるので要確認です。以前、贈り物に品物ではなく金券を贈ることが流行った時期がありましたが、政府によっては受け取り禁止になっているところもありました。また、中国でよくあるケースで取引先とのパーティー用に高級なお酒を提供したりされたりという状況は、パーティーで不特定多数に提供される状況であることから特に問題は無いと思われます。中国ではこの他に、公務員に対する「贅沢禁止令」が度々出されています。習政権下2013.1に出された後、2020.8に再び出されて現在に至っています。この規定は公務員の腐敗撲滅の目的で行われているもので、高価な白酒の購入も禁止されて販売業者が困っているという報道もありました。
 高級品の取り扱いに関しましては、以前よくあったのは食事の席での高級アルコールや高級たばこの提供です。これも民間であれば周囲の状況や一緒に集まるメンバーによって判断することがポイントと思われます。特に注意が必要なのは、招待した客の中に公務員がいるかどうか等が判断基準になると思われます。

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