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(2024年3月14日)
今月は中国の行事の一つ「三八婦女節」があります。私はこの「国際女性デー」という国際連合で提唱され、1977年国連総会で決議されたイベント自体を20年以上前に中国で初めて知りました。この「国際女性デー」ですが日本では認知度が低く、イベントなども行われていないようですが中国ではかなり認知されていて、会社の中でもイベントが催されるのが一般的です。特にヨーロッパではかなり以前から浸透しているようで、中国が早い時期から認知されているのに、国連の中でも人権問題にかかわっている日本の国内の認知度が低いのに驚いたのを覚えています。実際にどのようなイベントが行われているかというと、中国の公式ルールでは「三八婦女節」つまり3月8日は何曜日であっても女性社員は半日休暇を取得できるという事になっています。しかし、現実的には休める人とそうでない人がいたり、半日は中途半端であったりと休暇取得にはあまり現実的ではありません。そこで、企業によっては工会と会社が色々知恵を出して女性社員をねぎらう工夫をしている例があります。半日休暇取得という事では、職場によって状況が異なることから3月中にいつでも特別に1日休暇取得を認めるケース。 また、3月8日の午後に会社主催で食事会や、ボーリング大会などを開催する企業等それぞれ工夫して実施しているようです。更に、休暇だけでなく、女性社員に日用品やお菓子などのお土産を配る会社もあり、中国ではただのキャンペーンでなく実質的に女性の為にメリットのあるイベントが催されるので、女性はこの日を楽しみにしています。同じように女性がプレゼントをもらう習慣があるのは、2月14日聖バレンタインデーです。日本と異なり中国では男性が女性にプレゼントをする日です。中国ではホワイトデーの習慣はありませんが、5月20日ネットバレンタインデーという事でカップルがネットで告白をするなど「520」の発音が「我愛NI」に似ていることから女性向けのプレゼント商戦も活発になっているようです。3月の中国イベントでもう一つ重要なのは3月15日「世界消費者権利デー」です。これは日本でも消費者の権利を守るという意味で認識されている日ではありますが、中国では活動の趣旨が異なって認識されたり報道されたりしますので注意が必要です。 中国ではこの日公園や人の集まるところで、政府の担当者が一般市民に不良製品や食品等消費材の摘発イベントなどを開催して、市民の不満をあおるようなイベントが開催されます。使用される車のナンバープレートも「315」となっていて一目でわかります。このイベントは市民レベルでは収まらず、中国中央テレビでは毎年「3・15晩会」という番組で企業による消費者権利の侵害事案が大々的に放映されます。過去には、アップル社、BMW、マックスマーラ、フォード、ナイキ、フォルクスワーゲン等世界的な企業がやり玉に挙がっています。日系企業でも、日産、ニコン、吉野家等も消費者権利侵害事案として指摘されています。事実関係が明確でなくても報道により拡散されることで、「不買運動」に発展した例も多く企業のトップが北京で謝罪するなど大きな影響を及ぼしています。
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