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(2024年7月4日)
中国の反スパイ法施行から1年、今年の7月1日からはスマホ等電子機器の検査に関する新規定が施行されました。一般人をむやみにチェックするわけではありませんが、法に触れたと判断されると罰金や拘束という措置が講じられるので注意が必要です。これから出張で中国へ行く機会のある方や、駐在で行かれる方にとりましては少し心配されていると思います。日本や欧米とは異なり中国ならではの注意点を上げてみましょう。 飛行場での手荷物検査は駐在員の皆さんは国際線、国内線と機会が多くあると思います。 ここでの注意点は日本から持ち込む週刊誌等に要注意です。中国はポルノ系の雑誌の持ち込みは禁止されており、日本の一般的な週刊誌であっても中に露出の大きい写真が入っているだけで禁止書籍と判断されます。勿論そのような種類の書籍でなくても空港職員がパラパラと内容をチェックすることはたまにありまして、自分でも思いかけず中にグラビア写真等があると摘発されます。この場合は没収されるだけで済むことがほとんどですが気を付けて余計なトラブルを避けた方が良いでしょう。 書籍としては、日本で発行されている本の中には、中国で発行禁止されている本が結構あります。それらの書籍は中国へは持ち込まないように気を付けてください。私が確認している発行禁止書籍の中で、ノンフィクションで中国の歴史を知るのに役立った本がありますのでご紹介します。「大地の咆哮」(杉本信行著)元上海総領事で中国には辛口ですが有名な外交官。「毛沢東の私生活」(李志綏著)元毛沢東の主治医。毛沢東死後ハワイへ亡命。「ワイルド・スワン」(ユンチアン著)現在イギリス在住。これらは仮に持ち込んでホテルの部屋に置いて外出するような場合、掃除スタッフや公安職員(ホテルには常駐しています)の目に留まるとトラブルになります。 日本からの個人郵便物は基本開封チェックされますので予め承知しておいた方が良いです。封書は上が切ってありますし小包は開けられています。実際の経験ですが、2007年駐在を終えて帰国した際30箱ほどの段ボールを日本へ送りましたが、段ボールの中から「毛沢東の私生活」の単行本2冊が没収されていました。中国人の友人(政府系職員)が読みたいという事で中国へ持ち込んだのですが帰国の際にうっかり帰国荷物の中に入れておいたものでした。本には三省堂のブックカバーが覆っていたので一目では分かりません。日本で開けてみると段ボールの中には三省堂のブックカバーのみが残され、会社へは公安から送付荷物から不適切な書籍が確認されたので没収したとの連絡が入りました。身近な事項につきましてコメントしましたが、反スパイ法が強化されるという方向性から推察しますと、監視カメラの存在と言い一般的な統制管理が以前よりは進んでいるとみられますので以前と同等かそれ以上のチェック体制にあると認識したほうが良いかと思います。
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