★バックナンバー一覧
(2024年9月11日)
中国へ進出している日系企業の現地社員に対する業務マネージメントについて前回からコメントしていますが、基本は現場の中国人責任者に任せて部下の査定の権利も付与するというのが中国人管理者の面子もたつので有効という話をしました。1つ注意が必要なのは、任せっぱなしで内容確認しないと現地責任者と一部の部下の間で派閥が出来る恐れがありますので、ここは要注意です。例えば営業職という職種でのマネージメントではどうでしょう。顧客の中には日系と現地中国系の顧客がいると思いますが、相手によってお互い遠慮して、日本人が日系企業だけを担当したり中国人スタッフが中国系企業だけを担当したりすることが無いように、あくまでも職制として役割を果たすことがポイントです。 中国人スタッフの中には日系顧客が見えると遠慮して出てこなかったりすることもありますが、同席してもらい職責としての面子を相手に示してあげると、中国人スタッフとの信頼関係が得られます。顧客訪問の時も日系顧客と中国系顧客でメンバーを分けずに中国人スタッフの面子を守って行動することが肝要です。又中国のマーケットなので日本スタイルでなく、中国のやり方をリスペクトしてマネージメントを中国人スタッフに任せることも必要です。このような行動を前提にして、年に数回(創立記念日、春節前の忘年会等)イベントなどを行って中国人スタッフとのコミュニケーションを図ると良いと思います。イベントには家族も一緒に参加してもらうのが中国では喜ばれますので、開催に当たっては中国人スタッフに運営を任せるなど、中国人スタッフに喜ばれる企画で実施されると効果大です。 最近の日本企業には見られなくなった習慣が中国には綿々と続いています。それは企業が従業員へ慰労の意味を込めて贈り物をしたり、慰労会を催したりする習慣です。日本では社員旅行や会社主催の忘年会等は色々な事情で減少しつつあるようですが、中国では主に国の祝日に合わせて従業員を労うイベントが行われています。今月はその中の1つである「中秋節」があります。中秋節は一家団欒で食事をしたり、日ごろお世話になった方や両親へ「月餅」を贈る中国伝統行事です。「中秋節」は旧暦8月15日、今年は9月17日となり15日から17日まで3連休となります。 中国企業では昔から従業員へ「月餅」を贈る習慣があります。特に中秋節になると有名ホテル等が中秋節限定の「月餅」を販売しますので、これは人気があります。限定商品ですので、企業では事前に予約して従業員分を確保します。以前は現物を購入して会社で連休に入る前日に配っていましたが、最近では「月餅券」を配るケースもあるようです。私が駐在中にあった出来事ですが、従業員へ贈る「月餅」について「工会」と打ち合わせをしていた時、「工会」からある提案がありました。それは、中秋節には夫婦どちらかの両親を訪問することがあるので、従業員の分と両親にもっていくお土産分の「月餅」合わせて2つ贈ってもらえるととても嬉しいという事でした。中国特有の文化ではありますが、従業員の両親へ会社の「月餅」が届くというのもある意味で企業の福利のPRにもなることから、快く受け入れてそれ以来毎年2つの「月餅」を贈る習慣になっています
※サイトの記事の無断転用等を禁じます。