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(2019年2月6日)
中国でビジネスをする場合の「通訳」の難しさについて述べてきましたが、勿論一番良いのは日本人スタッフが中国語を理解し、中国人スタッフが日本語を理解することです。 各社では、日本人に対して中国語理解の為に駐在前に中国へ語学留学させるケースや、駐在後に社内で中国語のレッスンを受けさせるケースなど工夫しています。 ここでも注意しなくてはいけないのは、ビジネスで使う以前にまずは中国語で現地スタッフと意思の疎通を図ることがスタートです。つまり初めから難しい専門用語を勉強したり、語学検定の勉強することはあまり適切とは言えないと思います。 日常の生活や、出張時に使えるようなシチュエーションで実践的な会話力を養うことから始め、徐々に業務上の会話に慣れていく方が本人のストレス軽減にもつながると思います。 また、これ以前に重要な要素が「コミュニケーション能力」です。そもそもコミュニケーション能力のない人や、自分の意見をきちんと表現することが出来ない人は、いくら言葉の勉強をしても実践では役に立ちません。まずは周りの状況を把握していつでも適切な判断が出来る力をつけて、積極的に周りと関わる中で中国語がマスターできれば素晴らしいパーソナリティーが醸成されると思います。 一方、中国人スタッフについては、事務系社員の採用として大学の日本語コース専攻から採用して、日本語検定によって給与にインセンティブを付ける場合もあるようですが、これでは通訳採用と変わりません。この場合日本語コースではありますが、入社後はそれぞれ配属先で業務を覚え専門性を身に着けるために採用しているので、日本語はできてもこれは主ではありません。業務の専門性が高まってこそ日本語が生きてきます。 日本語コースの学生にはよく「あなたたちは日本語を勉強して通訳になりたいのですか?」と聞きます。「日本語を勉強することは手段であり、会社で専門的な仕事を覚えてキャリアを高めていってもらいたい。」と彼らに対する期待を話しています。 まして、技術系採用では技術の習得が先決で、言葉は入社してから勉強することになりますので、あくまで本業優先で進めることが中国人スタッフ同士のバランスを保つことに繋がると思います。
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