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(2025年4月10日)
4月に入りまして、日本では新年度という事で各企業では新入社員が入ってきました。しかし、一方で入社数日で退社するケースも報道されています。皆さんの中国企業のリテンションはいかがでしょうか?中国では新卒採用のシステムはあるもののやはり経験者採用が中心になっているといえるでしょう。若手中国人の就職に対する意識はどうでしょう?多くの人は「専門スキルを活かしたい」「教育体制が充実している」「発展空間があること」を挙げているようです。 「専門スキル」に関しましては、新卒者では専門分野を活かしたいという事であり、経験者であれば業務経験を活かして自分を高く評価してもらいたいという意識になります。 「教育体制」については、企業で自分を高めるチャンスを期待していることになります。中国では日本企業とは違い教育も企業にお任せというより自分の希望に沿ったスキルアップを期待しているので、教育が社員の希望にあっているかがポイントになります。「発展空間」につてですが、かなり前から中国人が口にする言葉です。これはこの企業で自己が成長できるチャンスがあるかといいう意味になります。前述の「教育体制」もこれに含まれますが、更にキャリアパスも含めて将来性を期待しています。 中国の日系企業でよくあることは、日本からの出向者が上位職を占め、中国人現地スタッフが中堅、一般職を担当するという組織作りをしている企業が多いことです。このような企業では中国人現地スタッフにとって上位職へのチャンスがなく、所謂「発展空間」が見えない状況になっています。また、中国独特の評価として、国家が認める重点大学卒業生とそれ以外の大学卒業生とでは初任給与が異なるというルールーもあり、現代の能力重視の評価や経験者との評価に対しては納得性がなく、離職の要因になりことがあります。中国人スタッフの仕事に対する考え方の違いにも配慮する必要があります。 日本企業では事業は長いスタンスで計画を立てることが多く、その為には準備に十分時間をかけ、会議等で情報共有を図りステップを踏んで100%の完成度を目指します。一方中国ではまず60%でも成果を出すことに重きを置き、100%は目指しません。 中国でのビジネスの優先順位はスピードです。また、中国人の仕事のやり方は「個人主義」がベースのあります。組織の中にいても仕事に対する姿勢はあくまで「個人」の責任という認識です。組織の中の一部分という認識ではなく、あくまで「個人」として会社の中で仕事をしているという感覚です。このように個人主義の考え方が強いことから、チームワークの面でもみんなで協議してチームで進めるというやり方は得意ではない面があります。 中国での指揮命令系統はトップダウンでの指示に従うことについては抵抗なく、査定権を持っている人には忠実です。このような特徴をよく理解してマネージメントを行うことで社員の離職を防いでモチベーションを上げることがリ、テンションにつながると思います。
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