トップ > 現代中国放大鏡
Last Update:
第1009回 農村政策の動きから-その2-
(2022年3月3日)
2015年秋の18期5中全会の<第13次5か年計画に関する提案>に基づき、同計画初年の2016年1月1日、国務院は<新たな理念を着実に発展させ農業現代化を加速させて、全面的な小康社会を実現することに関する若干の意見>を発表しました。その内容は以下のようなテーマに分けられ、それぞれの重点施策が列挙されていますが、まずそれらを俯瞰してみましょう。当時何が喫緊のテーマだったかが、おのずと浮かび上がってきます。一、現代的農業の基礎を固め、農業の質や効果・利益と競争力を向上させる。
☆“高標準農田”建設の大規模な推進。
☆“農田水利建設の大規模な推進”
☆現代農業イノベーションの新普及体制を構築。
☆現代種子産業発展の加速。
☆多様な形式の農業の発展と、適度な大規模経営の先導的役割。
☆新たな職業農民の育成加速。☆農業生産構造と地域分布の適正化。
☆国内外の市場と資源の総合的運用。
二、資源保護と生態の回復を強化し、農業のグリーンな発展を推進する。
☆農業資源の保護と効率的利用の強化。
☆農業環境の差し迫った問題に対する対策の強化。
☆農業に関する生態の保護と修復の強化。
☆食品安全戦略の実施。
三、農業と産業の融合を促進し、農民収入の持続的かつ速やかな増加を促進する。
☆農産物加工産業のモデルチェンジとアップグレードの推進。
☆農産物の流通インフラと市場構築を強化。
☆レジャー農業と農村観光の強力な推進。
☆農業産業チェーンと農民の利益のリンクシステムの整備。
四、都市と農村の協調的発展を推進する。
☆農村インフラ建設の加速。
☆農村公共サービスの向上。農村住居環境全面整備活動と住みよい農村建設の展開。
☆農村労働力の就業・起業への転換と、農民工の都市住民化推進。
☆貧困脱出プロジェクトの実施。
五、農村改革を本格的に推進し、農村発展の潜在活力を強化する。
☆食糧など重要な農産物の価格形成メカニズムと備蓄制度の整備。
☆農業・農村に対する資金投入の持続的増加システムの整備。
☆金融資源の農村に対する一層の傾斜を推進。
☆農業保険制度の整備。
☆農村の集団所有制度改革の本格化。