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第1152回 2025年12月中央経済工作会議-その2-
(2025年1月9日)
今回の中央経済工作会議では前値同様9項目の重点政策が掲げられました。すなわち①内需の拡大 ②科学技術の革新と現代化産業システムの構築 ③経済改革の推進 ④対外開放 ⑤不動産市場対策 ⑥農業・農村の活性化 ⑦地方経済の活性化 ⑧グリーン経済の推進 ⑨雇用拡大と社会保障です。2年前の2022年中央経済工作会議では、第一が内需の拡大、第二が科学技術の革新と現代化産業システム建設の加速、第三が2つの揺るぎなさ(国有企業の発展と強化)、第四が外資の一層の誘致・活用、第五が重大な経済・金融リスクの効果的防止と解消です。
翌2023年の中央経済工作会議は、第一が科学技術の革新による現代化産業システムの構築、第二が内需の拡大、第三が領域改革による国有・民営企業の活力強化、第四がハイレベルの対外開放、第五位が不動産問題・地方債務危機・中小金融機関危機の一括解消となっていました。
これらの順位の推移を比較してみると、内需拡大は1→2→1位と変動、科学技術の革新や現代化産業システムは2-1-2位、経済改革の推進は5-5-3位、対外開放が4-4-4位、不動産対策は、前二回は5位に含まれていましたが、今回は独立して5位にランクされました。この変動から、内需振興が依然として最大の課題であること、経済改革重視がランクアップしたとともに、不動産問題が個別テーマとして5位以内にランクインしたことなどが見て取れます
内需拡大については全方位で取り組む意気込みが示され、消費特別キャンペーンの実施、中低所得層の所得増と負担軽減、年金額の引き上げ、医療補助基準の引き上げなど社会保障面での改革を絡めた消費拡大を図る一方、“両新”政策(大規模設備の更新政策と消費財の買い替え政策)を実施し、文化観光を推進し、“首発経済”(新ビジネスモデルなどで新たな経済利益を生み出すこと)、“氷雪経済”(冬季スポーツなどの産業)、“銀髪経済”(シルバー産業)を積極的に発展させることが掲げられています。経済対策には、以前独立項目だった国有企業の強化発展や民営経済促進法制定による民営経済サポートなどと共に、全国統一市場の建設や、プラットフォーム経済の健全な発展、財税改革の計画的推進と地方の自主財力の強化などが歌われました。この続きは次回に。