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第1164回 中国自動車業界の急速な発展―その1-

(2025年4月3日)

 2023年の年頭に自動車業界の状況を紹介してから2年が経ちました。たった2年、されど2年、この間、中国を中心とした世界の自動車業界は激変しつつあります。


 今年2025年は2017年に発表された中国の<自動車産業中長期発展計画>の目標年です。当時掲げられた数値目標は、2025年に自動車生産台数3500万台、新エネルギー自動車700万台を達成する、というもので、技術的目標としては、動力システム・高効率伝達システム・車載電子機器・省エネルギー技術・動力用電池・駆動電池を先進レベルに引き上げ、さらにスマートコネクテッドカーでも世界の先端レベルを達成すること、企業としては、新エネルギー自動車生産企業、自動車部品生産企業、ブランド企業の中核企業がそれぞれ世界ベストテン入りを果たすことを掲げました。


 その後、2023年には年間生産販売台数が3009万4000台と3000万台を突破した(輸出491万台)(新エネルギー車31.6%、949万5000台)ものの、周知のごとく、2020年の不動産バブル抑止政策の影響で中国経済の需要が落ち込み、国内販売は伸び悩みました。これを挽回すべく、政府は2024年を消費促進年と位置づけ、同年1月に、新車販売に占める新エネルギー車の比率目標を従来の目標(2030年に50%)から2027年に45%と改め、4月には、中国人民銀行と国家金融監督管理総局が連合で<自動車ローン関連政策調整に関する通知>を発出して金融機関が申請者の信用状況や返済能力を自主的に判断してローン比率を決定できるようにし、同月、商務部など7部門も<自動車買い替え補助実施細則>を打ち出しました(2025年1月にも継続して新たな補助基準を発表)。  

 
 これらの動きの裏では事態がますます深刻化していました。6月に入ると、新エネルギー車の販売は買い替え政策の後押しもあり、30.1%増(輸出を含む)と順調に増加したものの、新車販売台数全体(輸出を含む)は6月から9月まで4カ月連続減少に転じ、10月になってようやく増加傾向を回復するありさまでした。2024年全体で見れば、新車販売台数(輸出を含む)は前年比4.5%増の3143万台で、新エネ車は40.9%を占めるに至り、年末に向け、政府補助金の効果が漸く顕在化していったと言えますが、国内販売1.9%増(2557万7000台)、輸出19.3%増(585万9000台)と、国内の伸び率は相対的に低迷を脱しておらず、加えて、11月以降、輸出も欧米からの関税が逆風になり、急ブレーキがかかってしまいました。  

三瀦先生のコラム