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第百十七回 中国のアフリカ外交
ここ10数年来、毎年、真っ先にアフリカを訪問するのが中国の外相の恒例になっていますが、最近の中国の論調でしばしば「"中国は世界最大の発展途上国、アフリカは発展途上国が最も集中している大陸"であり、両者は国際関係の中で協調し、発展途上国の合法的な権益を守らなければならない」という言葉を耳にするのはなぜでしょうか?
2003年12月15〜16日、アジスアベバで第二回中国・アフリカ協力フォ−ラム大臣級協議が開催され、中国の温家宝首相と44のアフリカ諸国の大臣約70名が一堂に会しました。会議では<アジスアベバ行動計画(2004−2006)>が採択され、その中で中国は、1)アフリカの極貧国の一部商品に対し、中国市場参入の関税を免除する。2)中国企業のアフリカ投資を促進するための環境を整備する。3)今後3年間で1万人の人材 養成援助を行う。4)ケニア、エチオピアなど8カ国を<中国国民私費観光目的地>に加える。5)中華文化アフリカ公演など多彩な交流活動を行なう。といった方針を打ち 出しました。
中国・アフリカ協力フォ−ラムは2000年10月に北京で第一回(各国大臣級協議)が開催され、<中国・アフリカ協力フォ−ラム北京宣言><中国・アフリカ経済社会発 展協力綱領>が採択されました。その後、3年に一度大臣級協議を中国とアフリカが交代で開催することになり、今回はその第2回目となります。
中国とアフリカは、中国が国連やWTOなどで国際社会に対し、アフリカへの様々な援助、債務の削減、市場の開放を訴える一方、アフリカ諸国からは、WTO加盟、北京オリンピックや上海万博の招致、台湾問題、人権問題などでその都度支持を取り付けるといった互恵関係にあります。先進国に対抗する南南協力という意味からも、また、アメリカの一極支配に対抗する意味からも、双方にとって緊密な協力が必要になっているわけです。
このため中国は、2000年以降2年間でアフリカの31カ国の債務105億元を減免し、道路 建設、水利、医療などの無償援助も拡大しています。また、11カ国に中国貿易投資開 発促進センタ−を設立、23カ国と投資保護協定を締結し、両者間の貿易額はここ3年、100億ドルの大台を突破、2003年9月現在で49カ国に中国企業による616社の外資、合弁企業が設立され、投資額は12億ドルに達しているのです。