トップ > 現代中国放大鏡
Last Update:
第1202回 2025.12中央経済工作会議-その2-
(2026年1月15日)
今回の中央経済工作会議ではまず、適度な金融緩和と物価の合理的な上昇、人民元の合理的水準での安定が謳われましたが、デフレ寸前の綱渡り状態の中で、どれも当然の選択と言えましょう。重点政策は前回から一つ減って、8項目掲げられましたが、その内容を2025年の重点政策と比べてみましょう。2025年は ①内需の拡大 ②科学技術の革新と現代化産業システムの構築 ③経済改革の推進 ④対外開放 ⑤不動産市場対策 ⑥農業・農村の活性化 ⑦地方経済の活性化 ⑧グリーン経済の推進 ⑨雇用拡大と社会保障の9項目でしたが、今回は①~④は同じですが、⑦の地方経済の債務問題が独立項目としては消え、⑤の不動産市場対策と合併して⑧となり、八項目になりました。2023年に不動産問題・地方債務危機・中小金融機関危機の一括解消が第五位にランクされたのと比べるとランクダウンしましたが、「最も頭の痛い問題をそのまま上位にランクすれば、有効な手を打てていないことを自ら認めるようなもので、とはいえ、事実はその通り、そこで、重要項目には含めるが、目立たせたない⑧とした」というところが真相でしょう。それぞれの項目の主な内容を見てみましょう。①では急務となっている内需振興について、「強大な国内市場を建設するため、消費の喚起に本格的に取り組む」としています。しかし、昨年から買い替え需要を補助金により先食いしすでに息切れ寸前、2026年も「秩序ある」補助金を実施せざるを得ない状況は変わりません。それゆえ「都市・農村住民の増収計画を実施」を掲げていますが、安価な製品の大量輸出に頼れば、賃金は上げにくく、インフラ投資に資金を振り向けすぎれば、地方債務問題や不動産危機の解決に振り向ける資金に影響します。そこで「サービス消費力を解き放つ」ことでどれほどの効果があるかが問われます。
②では京津冀・長江デルタ・広東香港マカオビッグベイに国際科学技術のイノベーションセンターを築くとしていますが、これはここ数年力を入れてきた高度経済圏を新たな経済発展のエンジンの一つに、という試みに他なりません。また、上流・中流・下流を整備した新たな重点産業チェーンの强化や、AI+の本格的発展とそのガバナンスも重要項目として挙げられています。この続きはまた次回に。

