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第1219回 食品ロス対策の変化と発展

(2026年5月21日)

   2012年の党大会で総書記に就任した習近平が翌2013年、<党政府機関節約励行・反浪費条例>を打ち出し、その後、“光盤行動”(食べ残さない運動)が展開されたことは広く知られています。 このような運動は、2020年以降、さらなる展開を見せています。当時、中国では年間350億kg以上、即ち、二億人の国民の一年間分の食糧に匹敵する量が無駄になっているとされ、食べ残しによる一人当たりの毎食の浪費は11.7%に上るとも言われました。そこで政府は2020年に「飲食浪費の制限」の号令を発出し、同年8月、習近平総書記は食べ物の浪費を断固として止めるべきだ」として、「浪费可耻、节约为荣(浪費は恥、節約は誉れ)」というスローガンが全国的に打ち出しました。これが現在の一連の政策の出発点です。


  2021年4月、<反食品浪費法>が制定されました。32条からなる同法では、第一条で、「食品の浪費を防ぎ、国家の食糧の安全を保障し、中華民族の伝統的美徳を発揚し、社会主義の核心的価値観を履行し、資源を節約し、環境を保護し、経済・社会の持続的発展を促進するために、憲法に基づき本法を制定する」とあります。すなわち、それまでの単なるモラル運動が法的に整備されたのです。そこには様々な項目が掲げられました。例えば、飲食店は、小盛メニューの提供、食べ残しの持ち帰り推奨、ビュッフェでは、取り過ぎ防止や浪費者への注意喚起、学校・企業の食堂では、残飯削減、節約教育などです。さらに、光盤達成者へ特典を付与したり、浪費が明白な客から残飯処理費を徴収することも認められました。この頃から、「N-1点餐」(10人なら9人分程度から注文)、小份菜(小盛り料理)、半份菜(ハーフサイズ)といったやり方が一般に普及し始め、公務接待の簡素化も強力に推進されられました。当時の新聞記事には<毎回の食事を大切に、一粒の穀物を節約しよう>とか、<節約はまず身近なところから>といった見出しが踊りました。2023年には国家市場監督管理総局が<ホテル業信用評価国家基準>を打ち出し、従業員に飲食浪費の制止、ゴミの分類などの教育を施すよう求めています。


  2024年11月、党中央・国務院は<食糧節約と反食品浪費キャンペーン方案>を打ち出し、生産・収穫から貯蔵・物流、更に加工・小売り、そして消費者に至る全過程の管理に舵を切りました。キャンペーンから統計管理へ、政策的な大転換が起きていると言えましょう。

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