企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

 第百二十二回 投資の呼び込み‐その1:政府の外資導入政策


2003年12月17日に北京で開催された<21世紀フォ‐ラム>年次会議のテーマは"投資中国"。その背景には、ここ数年の外国投資の急増があります。
外資の中国への進出は、改革開放が始まった1978年以降の第一段階、1992年の鄧小平の南巡講話を契機とした投資ブ−ム、そしてWTO加盟による現在の新たな投資ブ− ムの3段階に分けられます。2002年、中国への外資の流入は実行ベ−スで527億ドルあまりと、初めてアメリカを抜き世界のトップに躍り出ました。2003年はサ−ズの影響 があったものの、ほぼ前年規模を維持、電子、通信、化学、機械設備、交通インフラ、更に、サ−ビス分野への投資が目立ってきています。
中国政府は外資導入の積極的役割として、資金の提供、先進技術や開発能力の導入、輸出の拡大、産業構造の改善、国内体制改革の推進などの側面を重視し、従来指摘されてきた劣悪な投資環境(政策の不透明、許認可制度の弊害、検査技術の立ち遅れ、契約、公約の不履行など)の改善に取り組み、外資の活動に関する法整備も着々と進めています。
2003年4月に施行された<外国投資者国内企業買収合併暫定規則>はその一つで、既に上海では買収合併が国有企業改組の切り札として外資利用の主流になっています。同じ4月に、外国企業直接投資の為替管理に関する通知が出され、投資者は、資金の用途に応じて、投資、買い付け、費用、保証の4タイプの外国投資者専用外国為替口座をプロジェクト所在地の外国為替局に自分の名義で開設できるようになりました。また、WTO加盟に伴い開設された<中国外資登記サイト>http://wzj.saic.gov.cnの 形式も2003年8月から刷新され、手続きがやりやすくなりました。更に、投資分野を誘導すべく、2003年7月には<外国投資奨励ハイテク製品目録>を公布し、電子情報、航空宇宙技術、バイオ医薬、新素材、環境保護、海洋など11分野(917項目製品)を提示 しました。
2003年秋の16期3中全会で<社会主義市場経済における若干の問題の整備に関する決定>が出され、外資投資環境の改善に拍車がかかりました。7%の経済成長を今後も維持 するためには、外資の更なる導入が欠かせません。外資導入の具体的現状とその質的変化、特徴については次回に。

三瀦先生のコラム