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 第百二十三回 投資の呼び込み‐その2:外資導入の新動向

外資の中国への進出にどういった変化が起きているのでしょうか。商務部の王志楽氏は多国籍企業の中国投資の趨勢として、[1.投資、経営規模の拡大強化 2.投資分野の 集中(製造業、地域研究開発センタ−、地域管理運営センタ−など) 3.投資先の中 国東部、特に長江デルタへの集中 4.買収合併など投資方式の多様化 5.投資管理体 制の一本化]の5つ挙げています(人民日報2003.7.8)
 ここ数年、環渤海湾経済圏、長江デルタ、珠江デルタなど発展レベルの高い経済区への外資企業の進出は目覚しく、2003年上半期に北京に代表機関の設立を許可された 外資企業は404社、また、世界上位企業500社のうち40社以上が上海に、20社以上が北京に地域総本部を設置し、同様の役割を持つ投資会社は北京で120社余りに達しています。中国に研究センタ−設立した企業も世界上位企業500社のうち400社ほどを数えています。
 省や市の誘致努力もここ1年大変活発になりました。2003年2月、新疆ウイグル自治区は7項目40条の規定を定めて投資手続きの簡素化をPR、北京は北京在住の外国人に回数制限のない5年間有効の往復ビザを発給することを発表し、福建省は同3月に外資導入10大重点産業を発表、都市の公共施設、観光インフラへの投資を奨励しました。
 政府もこのような動きをバックアップしています。2003年7月の<多国籍企業在華投 資座談会>で呉儀副首相は、外国投資者の国有企業改組への参画や株式市場上場許可 などを表明した後、中西部地区、東北工業地区への投資を特に呼びかけ、10月の16期3中全会でも同様の期待感が示されました。9月にインテルが2億ドルを投じて成都に半導体の工場を設立すると発表し、中国側から大いに歓迎されたのも当然です。
 2003年12月、北京に約80の外資企業と10の政府部門が集まり、第2回定期意見交換会が 開催されました。毎年3、6、9、12月の第一週に開催して外資企業の意見を大いに吸収しようというこの新しい試みは、中国政府の意気込みを端的に示したものと言えましょう。
 2003年11月に日本国際協力銀行が発表したアンケ−ト調査の数字によると、海外に投 資している日本の製造企業の73.9%が中国を最も魅力的な投資対象と見、中国事業の拡大を考えています。中国投資ブ−ムはまだまだ続くことでしょう。

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