企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

第1242回 最近の医療政策とその成果-その3-

(2026年10月29日)

   その一でも若干触れた医療保険関係の整備について的を絞って分析を進めましょう。中国の基本医療保険は、都市・農村住民基本医療保険と職工基本医療保険に大別されます。前者は職工基本医療保険に加入しない都市住民と農村住民、更に、学生や子供たちを網羅し、後者は企業などの従業員やその退職者を対象とします。スマホの普及に伴い、中国では2019年に、全国初の“医保碼”(医保電子医療保険証)が使用されるようになりました。これがあれば、病院や薬局で二次元コードを提示するだけで保険を使った清算が即できるわけで、更に“一碼付”を使えば、一度に保険の清算と自己負担分の支払いも済ませることができ、“親情帳戸”を使えば、自分のスマホで子供や高齢家族の“医保碼”を提示することで清算もできるのです。実際に使用する際には、国の医療保険サービスアプリのほか、“支付宝(アリペイ)”や“微信(ウィーチャット)” からも、本人確認を行って利用を開始できます。また、基本医療保険に加入していれば、実物の社会保障カードを持っていなくても取得できます。


  こうした利便性の向上が後押しし、2022年全国医療保障事業発展統計公報で、中国の基本医療保険はすでに全国の参加総数13億4592万人(都市)、参加率95%以上、その内、都市・農村住民基本医療保険と職工基本医療保険の参加数はそれぞれ9億8349万人、3億6243万人と発表されました。財源は、都市・農村住民が個人の保険料と政府の補助で、基本医療保険の職工基本医療保険の財源が事業主と本人の保険料で基本的に賄われ、双方とも、その後、収入・支出は順調に推移していると発表されています。


  医療保険基金から病院への支払いについても、次々と改革が進んでいます、過去においては検査・薬・手術などの出来高払いでしたが、過剰な検査や投薬の横行を阻止するため、徐々に改革を進め、2023年末にはDRG(似た症例をグループ化して算定)/DIP(病種別)支払い方式が全国の九割に波及し、更に2024年7月、2026年9月に相次いでバージョンアップして、高齢者や子どもの症例、分娩時の鎮痛、ロボット支援手術など分類が見直されました。また、各級の医療保険部門は、医療保険から医療機関・薬局への即時精算改革を積極的に進め、精算期間を可能な限り短縮し、資金の回転を速め、医療機関・薬局の資金繰りの負担を軽減しています。

三瀦先生のコラム