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 第百二十五回 災害対策‐その1:安全生産

各種の災害や事故(洪水・日照り・砂嵐・地震といった自然災害や、交通・鉱山・工場などの事故といった人為的災害)による損失がクロ‐ズアップされています。自然災害 だけでも年間経済損失額は2000億元に上り、また、生産現場での人身事故も相次ぎ、これらを如何に食い止めるかが緊急課題になっているのです。
 2003年の死傷事故総件数は96万件余り、死者は13万人強で、前年の約14万人に比べ 減少、特に交通事故は数十年来初めてのマイナスとなりましたが、これは2003年上半 期のサ−ズによる、交通運輸・飲食娯楽などの活動の低下が関係しており、楽観は禁物。死者の内訳では、交通事故が最も多く104372人、鉱工業事故が17315人、鉄道事故 8530人、火災事故2497人などとなっています。(2004.2.24国家安全生産監督管理局)
 2003年の政府の重点課題はまず安全生産監督管理体制の改革。事故多発の根本原因である管理体制の未整備を解消すべく、2003年春の全人代で、98年以来国家経済貿易委員会指揮下に有った国家安全生産監督管理局を国務院直属機構に昇格させて独立性と権威を高め、安全管理に関する中央と地方の合理的な管理体制の構築に着手しました。
2003年6月、国務院は12の安全生産検査チ−ムを、山西省など6つの省、各交通部門、建築現場、産業分野等に派遣し、大規模な事故や災害に対する予防体制を調査、その結果、指導者の意識の低さ、安全管理組織の欠如など多くの問題が洗い出されまし た。これを受けて国家安全生産監督管理局は、2002年11月に施行された<安全生産法>の「安全生産事故に対しては、刑事、民事上の責任に加え、行政責任も追及する」という規定に則り、2003年7月1日に<安全生産違法行為行政処罰方法>を施行しました。これには行政処罰の種類・手順・管轄部署などが細かく規定され、これにより、例えばこれまで当局の頭痛の種だった不法な小規模炭鉱を取り締るための十分な法律的根拠が提供されたのです。
 2003年11月、国務院安全生産委員会弁公室が設置され、国家安全生産監督管理局はその日常的業務機構として位置づけられました。現在、同機構の下では、緊急救援システムの確立が急がれ、また、2004年からは民生部によって、一部の省、市、区を試験地域とし、より速く正確な災害管理情報システム構築へ向けた努力も始まっています。

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